乳歯が茶色くなる4つの原因|ケース別の対処法や予防する3つの方法も紹介

子供の歯科治療
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乳歯が茶色くなっているのは虫歯なの?

乳歯が茶色いけど歯科医院に行くべき?

乳歯を茶色くしないための予防法を知りたい

子どもの乳歯が茶色に変色してしまい、虫歯なのかと悩む方も多いのではないでしょうか。

乳歯が茶色になるのは、虫歯や着色汚れなどの原因が考えられます。

虫歯か着色汚れかを自分で判断するのは難しいため、乳歯が茶色くなったら放置せず早めに歯科医院でみてもらうことが大切です。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 茶色くなる4つの原因
  • 乳歯が虫歯になりやすい4つの理由
  • 【ケース別】乳歯が茶色くなった場合の対処法
  • 【放置しないで】乳歯の虫歯でも治療が必要な4つの理由
  • 茶色くなるのを防ぐ3つの方法

自宅や歯医者で適切にケアすれば、乳歯が茶色になるのを防ぎ、子どもの歯の健康を守ることにつながります。

ぜひ、参考にしてくださいね。

乳歯が茶色くなる4つの原因

乳歯が茶色くなる原因は、ひとつではありません。

  1. 虫歯による変色
  2. 食べ物や飲み物の着色汚れ
  3. 乳歯の神経が死んでいる
  4. エナメル質形成不全

乳歯の変色に気づいたときは、原因を見極め、早めに対応しましょう。

1.虫歯による変色

乳歯が茶色くなる原因のひとつが虫歯です。

虫歯は、虫歯菌が出す酸によって歯のエナメル質が溶かされていく病気です。

初期は白く濁って見えますが、進行すると歯の内部に細菌が入り込み、茶色く見えるようになります。

乳歯はエナメル質が薄く虫歯の進行も早いため、茶色い変化が見られた場合は注意が必要です。

2.食べ物や飲み物の着色汚れ

色の濃い食品に含まれる成分が歯の表面に付着し、蓄積することで乳歯が茶色に変色する場合があります。

この着色汚れの原因になる食べ物や飲み物は、以下のとおりです。

  • 色の濃い調味料(ソース、ケチャップ)
  • カレー
  • ウーロン茶
  • 緑茶
  • チョコレート
  • ベリー類(いちご、ブルーベリー)
  • 納豆

ウーロン茶や緑茶に含まれるカテキン、チョコレートやベリー類に含まれるポリフェノールが着色の原因になります。

また、納豆に含まれるイソフラボンは歯に残りやすく、汚れとなって沈着する場合があります。

エナメル質が薄い乳歯は、色素が染み込みやすいため、汚れが目立ちやすいのが特徴です。

3.乳歯の神経が死んでいる

乳歯が茶色く見える原因のひとつに、歯の神経が死んでいるケースがあります。

これは失活歯(しっかつし)と呼ばれ、転倒やぶつけた衝撃によって歯の神経が損傷し、血流や栄養が届かなくなることで起こります。

神経が失われた歯は内部が変性し、時間とともに茶色や灰色っぽく変色します。

前歯に起こりやすく、ケガの1〜2か月後に色の変化に気づくことが多いです。

痛みがなければ経過観察で済む場合もありますが、腫れや違和感があるときは必ず歯科医院を受診してください。

4.エナメル質形成不全

エナメル質形成不全は、歯の表面を覆うエナメル質がうまく作られなかった状態を指します。

乳歯の表面に茶色や白い濁りが見られたり、部分的にくぼみや欠けが生じたりするのが特徴です。

発症する原因は、以下のとおりです。

  • 損傷
  • 早産
  • 皮膚の異常
  • 栄養不良

エナメル質が薄く不完全な状態だと、着色しやすく、虫歯にもなりやすい状態になります

乳歯が虫歯になりやすい4つの理由

乳歯が虫歯になりやすい主な理由は、次の4つです。

  1. 歯質がやわらかいから
  2. 間食が増えるから
  3. しっかりと歯を磨けないから
  4. 家族から感染するから

子どもの歯は虫歯になりやすいため、しっかりとケアするようにしましょう。

1.歯質がやわらかいから

乳歯は永久歯よりもエナメル質や象牙質が薄く、やわらかい構造です。

エナメル質は歯の表面を守る役割がありますが、乳歯ではこの層が薄くなっており、虫歯菌が出す酸で歯の表面が溶けやすくなります。

乳歯は酸に弱いため、虫歯は短期間で内部に進み、神経に達することもあります。

見た目では虫歯の進行に気づきにくいケースもあるため、定期的なチェックが欠かせません。

2.間食が増えるから

甘いお菓子やジュースを飲む回数が増えると、口の中は酸性に傾きやすくなります。

酸性になると、歯のエナメル質が溶ける「脱灰」が起こり、虫歯の原因になります。

特に、飴は口に残る時間が長く、酸性の状態が続きやすくなる食品です。

虫歯リスクも高まるため、注意しなければいけません。

3.しっかりと歯を磨けないから

幼い子どもは自分でしっかりケアできないため、細かい部分まで磨くのが困難です。

とくに奥歯や歯の間、噛み合わせ部分は汚れがたまりやすい場所。

そのままにすると磨き残しが増え、虫歯のリスクが高くなります。

自分でしっかり磨けるようになる小学4年生ごろまでは、保護者による仕上げ磨きが必要です。

毎日決まったタイミングで、順番を決めて丁寧に仕上げましょう。

4.家族から感染するから

赤ちゃんの口の中には、生まれた時点では虫歯菌がいません。しかし、家族との接触によって後からうつることがあります。

食器を共有したり、大人が使った箸で食べ物を与えたりすると感染リスクが高まります。

乳歯はエナメル質が薄く、虫歯菌に対する防御力もまだ弱い状態です。

とくに離乳食が始まる生後6か月ごろからは、感染しやすい時期といわれています。

【ケース別】乳歯が茶色くなった場合の対処法

乳歯が茶色になった原因別に対処法を解説します。

  1. 着色汚れの場合
  2. 虫歯の場合
  3. 神経が死んでいる場合
  4. エナメル質形成不全の場合

見た目では判断が難しいため、それぞれの特徴と対応方法を確認しておきましょう。

原因がわからない場合は、早めに歯科医院でみてもらうことが大切です。

1.着色汚れの場合

食べ物や飲み物の汚れが原因の場合は、毎日の歯磨きを丁寧に行うことで改善が期待できます。

着色汚れに対応した歯磨き粉を使うのも効果的です。

歯磨きしても汚れが落ちないときは、歯科医院でクリーニングを受けましょう。

正しい方法で磨かないと汚れが落ちないため、歯科衛生士から歯磨きのやり方を指導してもらうのもおすすめです

2.虫歯の場合

乳歯が虫歯で茶色になっている場合は、歯科医院で治療を受ける必要があります。

放置すると、あごの成長の遅れや、永久歯が生えるスペースが狭くなるリスクがあります。

初期虫歯の場合は、削って詰め物をすることで治療可能です。

進行している場合は、神経を取り除く治療になる場合もあります。

早期に対応すれば処置も軽く、子どもの負担も抑えられるため、なるべく早めに歯科医院で診断を受けることが大切です。

3.神経が死んでいる場合

乳歯全体が茶色く変色している場合、歯の神経が死んでいる可能性があります

この状態で放置すると、歯の根の部分に膿がたまり、腫れや痛みの原因になります。

症状がなければ経過観察のみになるケースもありますが、感染が広がっている場合は、根の中をきれいにする処置が必要です。

治療の必要性は状態によって異なるため、自己判断で受診を控えるのはやめましょう。

4.エナメル質形成不全の場合

歯の表面が部分的に茶色く見える場合は、エナメル質形成不全の可能性があります。

この場合、冷たいものや熱いものが歯にしみるため、症状に合わせて以下のような処置が必要です。

  • 症状が軽い場合:フッ素塗布をしてしばらく様子をみる
  • 症状が重い場合:歯の表面を歯科用セメントやプラスチック樹脂でコーティングする

自宅では、フッ素入りの歯磨き粉を使った予防ケアが有効です。

症状に応じた対応が求められるため、継続的に受診して経過を見ていきましょう。

【放置しないで】乳歯の虫歯でも治療が必要な4つの理由

虫歯っぽいけど、乳歯はどうせ抜けるから、放っておいてもいいかな…

これは大きな誤解です!!乳歯の虫歯は必ず治療が必要です!

乳歯の虫歯を放置してはいけない理由は以下のとおりです。

  1. 周囲の歯が虫歯になる可能性があるから
  2. 永久歯に影響が出ることがあるから
  3. 歯並びが悪くなるリスクがあるから
  4. あごの成長に影響を与えるから

乳歯の虫歯を治療して、永久歯や周りの歯の健康を守りましょう。

1.周囲の歯が虫歯になる可能性があるから

乳歯の虫歯は進行が早く、放置すると周囲の歯にも影響を及ぼします。

虫歯菌は唾液を通じて、健康な歯にも感染しやすい性質をもっています。

乳歯は表面のエナメル質が薄く、細菌への抵抗力が弱いため注意が必要です。

虫歯が進行すると強い痛みや炎症が起こり、治療する本数が増える可能性があります。

そのぶん通院回数や治療時間も増え、子どもへの負担が大きくなるでしょう。

異変に気づいた段階で受診し治療をすれば、子どもが感じるストレスも抑えられます。

2.永久歯に影響が出ることがあるから

乳歯の下には、これから生えてくる永久歯が控えています。

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯にも影響が及び、変色やズレて生えてくるといったトラブルにつながるケースも少なくありません。

また、口の中に虫歯菌が多いと、永久歯が生えたあとも虫歯になりやすい状態が続きます。

永久歯の虫歯リスクを低下させるためにも、乳歯のうちから口内環境を整えることが大切です。

3.歯並びが悪くなるリスクがあるから

乳歯は、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保するのが役割です。

虫歯が進んで早く抜けると、その空いた場所に隣の歯が倒れ込むことがあります。

その結果、永久歯がずれた位置から生えてしまい、歯並びが乱れる原因になります。

乱れた歯並びによって、前後や上下の歯がかみ合わず、見た目や噛み合わせに影響が出る場合も。

将来的に矯正が必要になれば、費用や通院の負担も大きくなるでしょう。

4.あごの成長に影響を与えるから

乳歯の虫歯を放置すると、あごの正しい発達に悪影響を及ぼすおそれがあります。

あごは、上下の歯が噛み合い、しっかりと噛むことで発達するのが基本です。

虫歯があると噛む力が弱くなったり、片側ばかりで噛む癖がついたりするため、発達がうまくいかない場合があります。

さらに、あごの成長が十分でなければ、永久歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなります。

乳歯が茶色くなるのを防ぐ3つの方法


乳歯が茶色になるのを予防するには、日頃からしっかりケアすることが大切です。

  1. 歯を磨く習慣をつける
  2. バランスの良い食事をする
  3. 歯科医院でフッ素を塗ってもらう

毎日丁寧にブラッシングして、歯の健康を守りましょう。

1.歯を磨く習慣をつける

歯の健康を保つには、毎日正しい方法で歯磨きする必要があります。

とくに寝る前は、口の中の菌が増えやすいため、必ず仕上げ磨きをしてあげましょう。

奥歯や前歯の裏、歯と歯のすき間など、汚れが残りやすい部分は重点的に。

子どもが自分で磨けるようになるまでは、サポートしてくださいね。

また、歯科医院で正しい磨き方の指導を受けると、日々のケアの質が高まります。

2.バランスの良い食事をする

虫歯予防をするには、食事内容や食べ方が大切なポイントです。

たんぱく質、カルシウムやビタミンDを含む食品は、歯の土台づくりに役立ちます。

一方、甘いお菓子やジュースは、虫歯菌の活動を活発にする要因になるので摂りすぎに注意しましょう。

食事やおやつの時間を決めて、水分をこまめにとることも忘れずに。

日々の食生活を見直すと、虫歯になりにくい口内環境が整います。

3.歯科医院でフッ素を塗ってもらう

フッ素は、乳歯を虫歯から守るための効果的な手段のひとつです。

フッ素には、酸により溶けた歯を元に戻す「再石灰化」の働きがあります。

歯の表面に塗布することで、歯の修復やエナメル質と結びつき、歯質の強化を促すのが特徴です。

また、虫歯菌の活動を抑えて歯が溶けるのを防ぐため、虫歯の進行を防ぐ効果も期待できます。

生えたばかりの歯はフッ素を吸収しやすく、早期のケアがおすすめです。

定期的にフッ素塗布を受けることで、虫歯にも負けない強い歯に育ちやすくなります。

【まとめ】乳歯が茶色かったら早めに歯医者に行こう

乳歯が茶色くなるのは、虫歯や神経の異常などのトラブルの可能性があります。

放置すると、永久歯の発育や顎の成長まで悪影響を及ぼすので注意が必要です。

原因はさまざまですが、まずは歯科医院で適切な診断を受けることが大切です。

日々の歯磨きやフッ素塗布、定期検診を習慣づけて、虫歯に負けない口内環境に育てましょう。

乳歯の虫歯に関して詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【放置はNG】乳歯の虫歯ができる4つの原因|簡単にできる予防法も解説!
乳歯の虫歯は、永久歯に比べて進行しやすいので早めに対処する必要があります。この記事では、乳歯の虫歯ができる原因やできやすい場所、進み方をわかりやすく解説します。乳歯の虫歯は放置すると、発音や噛み合わせなどに影響を与えます。放置するリスクを理解し、悪化する前に歯科医院で診てもらいましょう。

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