永久歯が生えてくるのはいつから?生えない5つの原因やケアのポイントも紹介

歯科に関連する話題
この記事は約11分で読めます。

永久歯は何歳ごろから出てくるの?

何歳までに生えてくれば大丈夫なの?

6歳になっても歯が生え変わらなくて心配…

子どもの永久歯がなかなか生え変わらず、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

一般的に5〜7歳頃から永久歯が生え始めますが、成長のスピードには個人差があり、時期が前後しても過度に心配する必要はありません。

しかし、乳歯の虫歯や埋伏歯などが原因で萌出が遅れる場合もあります。

半年以上変化がない、左右の生え方に差がある場合は、歯科医院でレントゲン検査を受けると安心です。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 乳歯から永久歯に生え変わるの時期
  • 生えてくる順番
  • 永久歯と乳歯の違い
  • 永久歯が生えないときに考えられる5つの原因
  • 永久歯への生え変わり時期に歯科医院に行くべき2つのケース
  • 生え変わり時期のケアのポイント
  • 永久歯に関するよくある質問

永久歯の萌出時期を知り、原因やケアのポイントを理解すれば、お口の健康を守ることにつながるでしょう。

ぜひ、参考にしてくださいね。

永久歯が生え始める時期と順番

乳歯は5〜7歳頃から生え変わり始め、13歳前後に永久歯がそろいます。

乳歯の下で生える準備が整うと、乳歯の根が徐々に吸収され、自然に抜け落ちたあとに永久歯が顔を出します。

永久歯が生え変わる流れと時期の目安は、次のとおりです。

引用:学校歯科保健参考資料 1.歯・口の発育と機能の発達 図5 乳歯列と永久歯列

  1. 5~7歳ごろ:下の前歯(中切歯)、6歳臼歯(第一大臼歯)

  2. 6〜8歳ごろ:上の前歯(中切歯)、側切歯

  3. 9〜11歳ごろ:犬歯(糸切り歯)

  4. 10〜12歳ごろ:第一小臼歯・第二小臼歯

  5. 11〜13歳ごろ:第二大臼歯(合計28本がそろう)

  6. 17〜21歳ごろ(生える人のみ):親知らず(第三大臼歯)

参考:厚生労働省 記⼊のめやすと⼀覧表 表3 永久歯の発達

上記はあくまでも目安であり、時期が前後しても問題ないことがほとんどです。

それでも気になる場合は、歯科医院で状態を確認してもらいましょう。

永久歯と乳歯の違い

永久歯と乳歯の違い

永久歯と乳歯は構造がほぼ同じですが、大きさや強さなどに違いがあります。

永久歯は乳歯よりもひと回り大きくエナメル質や象牙質が厚いため、丈夫なのが特徴です。

また、本数も異なり、乳歯は20本なのに対し、永久歯は親知らずを含めると32本あります。

色は乳歯が白っぽいのに対し、永久歯はやや黄色みがかって見えますが、これは象牙質が透けて見えるためです。

永久歯に生え変わって2年程度は歯質が未成熟で、虫歯になりやすい時期です。

この期間は、特にていねいな歯磨きや仕上げ磨きを心がけましょう。

永久歯が生えてこないときに考えられる5つの原因

永久歯の萌出が遅れているのは、以下のような原因が考えられます。

  1. 永久歯が並ぶスペースがない
  2. 歯茎が分厚くて歯が出てこない
  3. 乳歯の虫歯が悪化した
  4. 埋伏歯で生えてこない
  5. 先天性欠如で歯がない

原因を理解しておけば、早めに対応できるでしょう。

1.永久歯が並ぶスペースがない

乳歯の歯並びの悪さや顎の骨が小さいことが原因で、永久歯が生えてこないケースがあります。

歯が並ぶスペースが確保できないと、生えるまでに時間がかかったり、歯が引っかかったりして生えなくなります。

この場合は、歯列を広げる矯正治療や、歯を適切な位置に誘導する処置が行われます。

歯並びが悪い場合は、早い時期から小児矯正を受けておくと、永久歯がスムーズに生えやすくなりますよ。

2.歯茎が分厚くて歯が出てこない

永久歯が埋まっている部分の歯茎が厚い場合、萌出までに時間がかかることがあります。

ほとんどは2年ほどで自然に生えてきますが、経過観察で変化が見られない場合は治療が必要です。

まず、局所麻酔をして歯ぐきを一部切開し、歯が出やすい状態を作ります。

それでも出てこない場合は、矯正治療で歯を引っ張り出すこともあります。

3.乳歯の虫歯が悪化した

乳歯は抜けるからと放置されがちですが、虫歯が悪化すると下に控えている永久歯の萌出を妨げることがあります。

神経が死んで根が吸収されなくなったり、根の先に膿や細菌がたまったりすると、永久歯が出てこられません。

こうしたトラブルは、歯が生える時期を遅らせるだけでなく、歯の形や色に影響を残すこともあります。

4.埋伏歯で生えてこない

埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯が顎の骨や歯ぐきの中に埋まったまま、生えてこない状態のことです。

原因は、歯の位置異常や向きのずれ、あごのスペース不足、周囲の骨や歯ぐきの厚みなどが挙げられます。

親知らずや糸切り歯(犬歯)は、位置が深くスペースも限られているため、埋伏歯として見つかることが多いです。

糸切り歯の場合、矯正治療で正しい位置に戻し、親知らずの場合は抜歯をすることもあります。

他の歯に影響がない場合は放置しても問題ありませんが、永久歯の歯根を傷つけたり成長を妨げたりするときは治療が必要です。

5.先天性欠如で歯がない

先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)とは、生まれつき1本以上の永久歯が存在しない症状のことです。

正常な永久歯は親知らずを除いて28本ですが、先天性欠如ではそれより少ない本数しか生えてきません。

歯の元になる「歯胚(しはい)」が作られないことが原因で、遺伝や発育の異常などが関係すると考えられています。

症状は、上の前歯の隣(側切歯)や、奥歯の手前にある小臼歯、下の前歯に起こることが多いです。

放置すると、隣の歯が倒れ込んだり、かみ合わせや発音に影響が出たりする可能性があります。

永久歯への生え変わり時期に歯科医院に行くべき2つのケース

歯の生え変わり時期に、歯科医院を受診すべき症状を2つ紹介します。

  1. 乳歯が抜けたのに、半年以上永久歯が生えてこない
  2. 乳歯の後ろから永久歯が生えてきたがなかなか抜けない

放置すると、歯並びやかみ合わせの乱れ、虫歯のリスクが高まります。

このような場合は、早めに歯科医院に行ってくださいね!

1.乳歯が抜けたのに、半年以上永久歯が生えてこない

通常、乳歯が抜けると数か月以内に新しい歯が出てきます。

しかし、左右同じ種類の歯で片方だけ遅れている場合は、歯列に影響が出る可能性があるので注意が必要です。

空いたスペースに隣の歯が倒れ込むと、歯並びやかみ合わせが乱れ、将来的に矯正治療が必要になることもあります。

なかなか歯が生えてこない場合、歯科医院でレントゲンを撮影し、歯の状態を確認してもらいましょう。

原因として、先天性欠如歯や埋伏歯などが考えられます。

放置すると歯並びが悪くなり、虫歯や歯周病などになりやすいため、必要に応じて治療を進めることが大切です。

2.乳歯の後ろから永久歯が生えてきたが、なかなか抜けない

乳歯の後ろから永久歯が出てきているのに、乳歯が抜けない状態を二重歯列(にじゅうしれつ)といいます。

そのままにしておくと、歯並びやかみ合わせの乱れ、虫歯リスクの上昇といったトラブルにつながる可能性があります。

噛むときに痛みがある、食事がしにくい、歯がぐらついても抜けない場合は、早めの受診が必要です。

放置しても問題ないケースもありますが、判断が難しいので、歯科医に相談してくださいね。

永久歯の生え変わり時期のケアのポイント

歯のトラブルを予防するためには、日頃からしっかりとケアすることが大切です。

  1. 丁寧に仕上げ磨きをする
  2. 虫歯予防を意識する
  3. 歯科医院で定期検診を受ける

毎日丁寧にケアすることを意識して、歯の健康を守りましょうね!

1.丁寧に仕上げ磨きをする

生えたばかりの永久歯は、歯質が未熟で弱いのが特徴です。

そのため、この時期は大人による仕上げ磨きが欠かせません。

乳歯と永久歯が入り混じる時期は歯並びがデコボコしており、どうしても磨き残しが増えやすくなります。

特に注意したいのが「6歳臼歯」です。

生え始めは背が低くて気づきにくく、奥にあるため歯ブラシも届きにくい歯です。

磨くときは上からではなく、横から毛先を差し込むように当てると溝までしっかり磨けます

また、グラグラしている歯も避ける必要はないので、指で押さえながらケアしましょう。

毎日の仕上げ磨きで、この虫歯リスクの高い時期を乗り切ることが大切です。

2.虫歯予防を意識する

生えたばかりの歯は柔らかく、酸への抵抗力が低いため、虫歯のリスクが高くなります。

この時期は、虫歯予防を意識した以下のケアを集中的に行いましょう。

  • フッ素配合の歯磨き粉を使う
  • 歯科医院でフッ素塗布してもらう
  • シーラントを受ける

萌出したばかりの歯はフッ素を吸収しやすく、歯質を強化する効果が高まりやすいといわれています。

フッ素塗布は3ヶ月〜6ヶ月に1回、14歳〜16歳頃まで継続するとよいでしょう。

シーラントは永久歯が生えたタイミングで行うと、溝に汚れがたまりにくくなり、虫歯予防につながります。

家庭でのブラッシングに加え、歯科医院での予防処置を組み合わせて、虫歯に強い歯を育てていきましょう。

参考:公益財団法人日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱

3.歯科医院で定期検診を受ける

永久歯への生え変わり時期は、歯科医院で3ヶ月ごとに検診を受けるようにしましょう

この時期は口内トラブルが起こりやすいため、異常がないか確認してもらい、早期発見や治療を受けることが必要です。

検診では、主に以下を行います。

  • 生え変わりや歯並びの状態のチェック

  • 磨き残しの確認とクリーニング

  • ブラッシング指導

検診は問題が起きたら行くのではなく、健康な歯を守るための習慣として取り入れましょう。

永久歯はいつから生えるかに関するよくある質問

1.乳歯が5歳で生え変わるのは早すぎますか?

乳歯は一般的に5〜7歳で生え変わるため、5歳で抜けても早すぎることはありません。

歯や顎の成長が早い場合は、乳歯が早く抜ける傾向があります。

生え変わりの時期が早くても顎が育っていれば、歯並びに影響を及ぼす可能性は低いです。

乳歯が抜けたときに顎が小さくても、その後の成長で問題が解消されるケースもあります。

ただし、不安がある場合や他の歯の生え方に気になる点がある場合は、歯科医院で確認してもらうと安心です。

2.6歳臼歯ってどんな歯ですか?

6歳臼歯は、5〜6歳ごろに最初に生える永久歯で、かみ合わせや歯並びの基礎をつくる重要な歯です。

永久歯の中で最も大きく、乳歯の奥に位置し、強く噛む力を持っています。

臼(うす)のような形をしており、萌出するときに歯肉が赤く腫れて違和感や痛みを感じるケースがあります。

噛む面の溝が深く、食べかすがたまりやすいため、虫歯になりやすいのも特徴です。

3.乳歯が虫歯になったけど、生え変わるまで放置しても大丈夫ですか?

乳歯の虫歯を治療せずに重症化させてしまうと、後から生える歯に悪影響を及ぼす可能性があります。

乳歯と永久歯は顎の中で近い位置にあり、虫歯が神経まで到達すると、細菌が増殖して永久歯の成長を阻害します。

その結果、茶色に変色した歯が出てきたり、生え変わりが遅れたりなどのトラブルにつながるケースが多いです。

乳歯は、永久歯を正しい位置に導く大切な役割を持つため、定期的な歯科検診と早期治療で虫歯を防ぎましょう。

【まとめ】しっかりとケアして永久歯の健康を守ろう!

永久歯は一度失うと、二度と生えてこないため、生え変わり期からのケアが重要です。

特に6歳臼歯や奥歯の溝は汚れが残りやすく、集中ケアが必要です。

仕上げ磨きやフッ素塗布、シーラントなどの予防処置を積極的に取り入れてください。

日々のケアと専門的なサポートを組み合わせ、大切な永久歯を一生守りましょう。

坂井歯科では、生え変わり期の歯並びや虫歯予防のご相談も承っています。

気になる症状や不安がある場合は、お気軽にご来院ください。

永久歯が生えてこない原因は、以下の記事でも解説しているのでご覧ください。

永久歯が生えてこない4つの原因|受診の目安や放置するリスクまで徹底解説
永久歯が生えてこないのは、先天性欠損や埋伏歯といった原因が考えられます。ほとんどの場合、生えてくるので経過観察で問題ありませんが、長期間生える傾向が見られないときは歯科医院で診てもらうのをおすすめいたします。この記事では、永久歯が生えてこない4つの原因と受診の目安、放置するリスクを解説します。ぜひご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました