
子どもが嫌がって歯を磨けない…

子どもが歯磨きを嫌がるのはなぜ?

嫌がっても、無理にでもやるべき?
毎晩、子どもが歯磨きを嫌がって、しっかりケアできないと悩んでいないでしょうか。
歯磨きを嫌がる背景には、口の中の不快感やイヤイヤ期の自己主張、過去の経験などの原因が考えられます。
大切なのは、完璧にやらなきゃと自分を追い詰めるのではなく、子どもの年齢や性格に合わせて歯磨きに慣れる工夫をすることです。
この記事では、以下の内容を解説します。
- 子どもが歯磨きを嫌がる5つの原因
- 【1歳~6歳】歯磨きを嫌がる子どもへの対処法
- 嫌がるときに避けるべき行動3選
- 歯磨きを嫌がる子供におすすめのグッズ3選
- 子供の歯磨きに関する質問
子どもが歯磨きを嫌がるときの対策を知ると、スムーズにケアできるようになり、虫歯予防にもつながります。
ぜひ、参考にしてくださいね。
子どもが歯磨きを嫌がる5つの原因

子どもが歯磨きを嫌がる場合は、以下のような原因が考えられます。
- 歯ブラシに対して不快感がある
- イヤイヤ期になっている
- 歯磨きが怖いと思っている
- 遊びを中断されたくない
- 長時間口を開けていられない
嫌がる原因を理解すれば、対処法がわかるでしょう。
1.歯ブラシに対して不快感がある
口の中に歯ブラシが入るのに慣れていない場合、不快に感じて歯磨きを嫌がるケースが多いです。

幼児の口の中は敏感で、少しの刺激でも「気持ち悪い」「痛い」と感じやすいです。
歯磨きを嫌がる原因として考えられるのは、以下のとおりです。
- 磨くときに力を入れ過ぎる
- 歯茎や舌などに歯ブラシが触れて痛い
- 歯ブラシの毛先が硬くて痛みを感じる
こうした不快感が続くと、歯磨きはつらいものと記憶され、次第に歯磨きの拒否につながります。
まずは、歯磨きの適切な硬さや力加減を理解することが大切です。
2.イヤイヤ期になっている
2歳ごろから始まるイヤイヤ期の影響で、歯磨きを拒否する子どもも少なくありません。
この時期は、自分の気持ちや意思を主張し始める段階でもあり、「自分でやりたい!」「今はやりたくない!」といった気持ちを強く持ちます。

こうした行動はわがままではなく、心と体が成長している証でもあります。
押さえつけて磨こうとすると、歯磨きに対する苦手意識が強まることもあるため、子どもの気持ちを受け止め、時間を置いてから声をかけるようにしましょう。
3.歯磨きが怖いと思っている
歯磨きのときに痛い思いをした経験や、無理やり磨かれた記憶があると、子どもは歯磨きに恐怖心を抱くようになります。
親の行動と子どもへの影響は、以下のとおりです。
| 親の行動 | 結果 |
| 嫌がったときに怒る | 歯磨きは苦痛で嫌な時間だと認識する |
| 無理やり磨く | 痛い思いや不快に感じて嫌がる |
このような経験が積み重なると、歯ブラシを見るだけで泣いたり、逃げたりするなど、拒否反応を示すようになることもあります。
4.遊びを中断されたくない
子どもは遊びに夢中になっているときほど、気持ちの切り替えがうまくいきません。
年齢が低いほど、「今この瞬間」を全力で楽しんでいるため、突然遊びを中断されるとストレスを感じます。
「遊びが終わったら歯磨きをする」と見通しを立てるのも難しく、楽しい時間を無理やり奪われた感覚になり、歯磨きを拒否する行動につながるのです。
中断させるのではなく、年齢に合わせた声かけや遊びの要素を取り入れるなど、子どもが自ら歯磨きをしたくなる工夫をしてみましょう。
5.長時間口を開けていられない
普段の生活では、長時間口を開け続けることがほとんどないため、歯磨きに苦手意識をもつ子どもは少なくありません。

また、口を開けたままでいると、顎の筋肉が疲れやすくなります。
さらに、子どもは唾液が口の中に溜まることで「気持ち悪い」「息がしづらい」と感じるでしょう。
また、同じ姿勢が続くことで退屈になり、「つらい」「早く終わってほしい」という感情が強くなり、歯磨きが苦痛な時間になることもあります。
歯磨きの際は、子どもの様子を見て休憩したり、唾液が溜まったら飲ませたりするなど、無理のないペースで進めることが大切です。
【1歳~6歳】歯磨きを嫌がる子どもへの対処法

歯磨きを嫌がる子どもへの対処法は、年齢によって異なります。
- 1歳|歯ブラシに慣れさせ、短時間で終わらせる
- 2歳|親と一緒に歯磨きし、終わったらたくさんほめる
- 3歳|絵本で「歯磨き=楽しい」と学んでもらう
- 4歳〜6歳|決まった時間にケアし、歯磨きの大切さを教える

子どもの年齢に合わせて、適切な対応をしましょう!
1歳|まずは歯ブラシに慣れさせ、短時間で終わらせる
歯を磨き始めたばかりの1歳は、口の中に歯ブラシを入れるのに慣れさせることが大切です。
ガーゼ磨きからスタートし、口の中に触れる感覚に慣れてもらうのもおすすめです。
ただし、子どもは集中力が続かないので、歯磨きの時間が長くなると、飽きる点に注意が必要です。

まずは1分を目安に全体を磨き、慣れてきたら徐々に時間を延ばすようにしましょう。
歯磨きは嫌なものではないと思ってもらうために、短い時間で終えることを意識するのがポイントです。
2歳|親と一緒に歯磨きし、終わったらたくさんほめる
2歳ごろになると、周囲の動きをよく観察し、大人の行動を真似する姿が増えてきます。
この時期は、親と一緒に歯磨きをするスタイルがおすすめです。
親が楽しそうに歯を磨く姿を見せると、「歯磨きは毎日やるもの」として受け入れやすくなります。
また、歯磨きが終わったら、「上手にできたね」「ピカピカになったね」など、取り組んだ姿勢をしっかりほめましょう。

上手にできなかったり途中でやめたりしても叱らず、「今日はここまでできたね」と声をかけるのがポイントです。
3歳|絵本で「歯磨き=楽しい」と学んでもらう
3歳ごろになると、言葉の理解が進み、歯磨きをなぜやるのかを少しずつ理解できるようになります。
この時期は、歯磨きをテーマにした絵本を活用して、歯磨きは楽しいものと感じてもらう工夫をしましょう。
例えば、以下のような絵本があるので、ぜひ参考にしてください。

画像引用:偕成社|はみがきあそび
画像引用:偕成社|はみがきあそび

画像引用:ミキハウス|すきすきはみがき
画像引用:ミキハウス|すきすきはみがき

また、子どもが好きな色やキャラクターの歯ブラシを使えば、嫌がらずにブラッシングできるケースもあります。

子どもと一緒に買い物に行き、好きな歯ブラシを選ばせるのも良いでしょう。
3歳は好奇心旺盛な時期なので、自分の好きな歯ブラシを使うことで、歯磨きに対する関心を高められます。
歯磨きを嫌がる場合は、歯ブラシを変えてみるのも有効です。
関連記事「【仕上げ磨きのやり方】生後6カ月・3歳・6歳ごとの磨き方と5つの対処法とは?」では、歯磨きの時間が楽しくなる動画を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

4歳〜6歳|決まった時間にケアし、歯磨きの大切さを教える
4歳~6歳ごろは、歯磨きの時間をあらかじめ決めておくことが嫌がらずに続けるコツです。
「この絵本を読み終わったら歯磨きをする」「テレビが終わったら歯を磨く」など、毎日の流れの中に組み込むと、気持ちの切り替えがしやすくなります。

また、理解力が上がる時期でもあるため、歯磨きをする意味や大切さをわかりやすく伝えることも大切です。
「磨かないと虫歯になって歯が痛くなる」「歯医者さんに行かなきゃいけなくなる」など、子どもがイメージしやすい言葉で伝えてあげましょう。
関連記事「乳歯が茶色くなる4つの原因|ケース別の対処法や予防する3つの方法も紹介」では、乳歯が茶色くなる原因や対処法を解説しています。
虫歯予防のためにも、ぜひご覧ください。

子どもが歯磨きを嫌がるときに避けるべき行動3選

子どもが歯磨きを嫌がっている場合、やってはいけない行動があります。
- 押さえつけて無理やり磨く
- 嫌がったときに叱る
- 歯医者を使って脅す

これらの行動をすると、子どもはますます嫌がるようになります。
参考にして、子どもの歯磨きに対する拒否感を強めないようにしましょう。
1.押さえつけて無理やり磨く
子どもが嫌がっているのに無理やり磨くと、歯磨きに対する恐怖心や抵抗感が強くなってしまいます。
歯磨きが嫌だと思うようになり、歯ブラシを見るだけで逃げたり、泣いたりするなどの拒否が強くなります。
そのため、歯磨きをするタイミングは、機嫌が良いときやリラックスしているときを選びましょう。

嫌なことだと思わせないためにも、子どもの様子を見ながら無理のないペースで進めることが大切です。
2.嫌がったときに叱る
歯磨きを嫌がる子どもに対して、つい強い口調で叱ることもあるでしょう。
しかし、叱られた記憶が残ると、子どもは歯磨きを怒られる時間と受け取り、歯磨きを避けるようになる場合があります。
小さな子どもは、「なぜ叱られたか」を整理して理解するのが難しく、「歯磨きが怖い」「やりたくない」という気持ちだけが残りやすいのが特徴です。
歯磨きが少しでもできたときは、できたことに目を向けて声をかけることが大切です。

上手くいかない日があっても、まずは子どもの気持ちを受け止めるのを意識しましょう。
3.歯医者を使って怖がらせる
子どもが歯磨きを嫌がっても「虫歯になって歯医者で歯を抜かれるよ!」と脅してはいけません。
歯医者に対して恐怖心やネガティブなイメージを抱いてしまい、治療が必要な際に受診を拒否する恐れがあります。
歯医者を「怖い場所」と認識すると、本当に治療が必要なときに受診を拒否したり、診療そのものがスムーズに進まなくなったりすることもあります。
歯医者は以下のような場所と伝えるようにしましょう。
- 歯をきれいにしてくれる場所
- 虫歯を治してくれる場所
- 歯を守るために通う場所

歯磨きを嫌がったときほど、歯医者で怖がらせるのではなく、「歯を守ってくれる強い味方」とポジティブに伝えましょう。
歯磨きを嫌がる子どもにおすすめのグッズ3選

歯ブラシ以外でも、子どもの歯をケアできるアイテムがあります。
歯磨きを嫌がったときに使える、おすすめのグッズを3つ紹介します。
- 味つきフロス
- 歯磨きタイマー
- 光る歯ブラシ
子どもが歯磨きを嫌がって困っている方は、参考にしてみてください。
1.味つきフロス
子どもが歯磨きを嫌がる場合は、味つきのフロスを補助的に取り入れる方法があります。

画像引用:オーラルケアショップ ミセル
フロスを使うと、歯の間の汚れを落とせ、虫歯や歯周病などの口内トラブルの予防に効果的です。
例えば、こどもデンタルフロスFLOSSY! 60本入には、以下の4種類のフレーバーがあります。
- イチゴ
- ブドウ
- メロン
- ピーチ

「今日はどの味にする?」と選ぶ楽しさを作れるのが特徴です。
どうしても嫌がる場合は、フロスを前歯だけとおし、翌日歯磨きする方法もあります。
商品の詳細はこちら
2.歯磨きタイマー
子どもが歯磨きを嫌がる理由のひとつに、「まだ終わらないの?」「いつまで続くの?」という先が見えない不安があります。
歯磨きタイマーはこの不安を減らし、歯磨きに見通しを持たせるのに役立つアイテムです。

画像引用:3分 歯磨きタイマー
「この音が鳴るまでがんばろうね」と声をかけると、区切りができ、気持ちの切り替えもしやすくなります。

1分や2分程度の短い時間から始め、徐々に時間を延ばすことで、歯磨きの習慣化につながるでしょう。
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3.光る歯ブラシ
光る歯ブラシは、持ち手部分が点灯するライト付き歯ブラシです。

光る動きが視覚的な刺激になり、自然と歯ブラシに興味を向けやすくなります。

「光っている間だけ磨こう」と声かけもしやすく、歯磨きへの切り替えがスムーズになる点もメリットです。
なお、光る電動歯ブラシもありますが、口内を傷つけるリスクがあるので、子どもが3歳を過ぎるまでは普通の歯ブラシを使いましょう。
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歯磨きを嫌がる子どもに関するよくある質問

1.発達障害のある子が歯磨きを嫌がるときはどうすればいい?
感覚が敏感だったり、環境の変化に不安を感じやすかったりする子の場合、歯磨きそのものが強いストレスになることがあります。
そのため、子どもの安心感を優先した工夫が大切です。
例えば、次のような方法が役立つことがあります。
- テレビや動画を見せながら磨く
- 子どもが好きなアイテムを持たせる(クッションボールやおもちゃなど)
- 好きな味の歯磨き粉を使う
子どもにとって「安心できる環境」をつくることで、歯磨きへの緊張がやわらぎ、少しずつ受け入れられるようになるケースも少なくありません。

どうしても家庭での対応が難しい場合は、歯科医院でのブラッシング指導や相談を活用するのもひとつの方法です。
2.歯磨き粉を使って磨いたほうが良いの?
歯ブラシできれいになれば歯磨き粉は不要ですが、虫歯予防の観点でいうとフッ素入りの歯磨き粉を取り入れることが推奨されています。
歯ブラシだけでも良いですが、子どもの好きな味の歯磨き粉を使えば、歯磨きの時間を楽しんでもらえます。
歯磨き粉の量が多いと口の中が見にくくなるので、歯ブラシのヘッドの5mm程の少量を使いましょう。
参考:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ フッ化物配合歯磨剤 フッ化物配合歯磨剤の予防効果
3.歯磨きを1日サボってしまったけど大丈夫?
歯磨きを1日やらなかったからといって、すぐに虫歯になるわけではありません。
子どもの体調が悪い場合や寝てしまった場合は、無理をせず翌日に磨きましょう。
ただし、歯磨きをしない日が続くと、歯の表面に汚れや歯垢がたまり、虫歯のリスクは確実に高まります。

ケアが難しい場合は、お茶や水を飲み、口の中をきれいにする対策も有効です。
歯磨きを嫌がる原因を理解して子どもの歯をしっかりケアしよう

歯ブラシに対する不快感やイヤイヤ期などで、歯磨きを嫌がる子どもは多いです。
口の中に歯ブラシが入るのに慣れていない場合や痛い思いをした経験がある場合は、歯磨きに対して抵抗感があります。
歯磨き嫌いをなくすには、小さいうちから口の中をケアしたり、絵本を見せたりしながらケアするのが有効です。
歯磨きを楽しい時間にすることで、抵抗感を軽減できる可能性が上がります。

どうしても自宅でケアできない場合は、歯医者に相談しましょう。
坂井歯科では、お子さまのブラッシング指導やメンテナンスなど、虫歯予防に関するアドバイスやサポートを行っています。
お子さまの歯のケアでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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