【年齢別】永久歯の本数|異常が起こる4つの原因やリスク、治療法を徹底解説!

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うちの子どもは歯の本数が足りてるのかな…

永久歯は何本あれば大丈夫?

乳歯から永久歯に生え変わる時期は?

永久歯は通常28本あり、さらに親知らずが生えると最大32本になりますが、本数は人によって異なります。

中には、永久歯の本数が少なかったり、多く生えてきたりするケースもあります。

しかし、ほとんどの場合、治療や対処法があるので、過度に心配するのは避けましょう。

本記事では以下の点を解説します。

  • 年齢別の歯の本数(目安)
  • 永久歯の本数が足りないか見分けるには?
  • 歯の本数が足りなくても大丈夫な理由
  • 本数が足りない時の対処法

正しい知識を持つことで、不安が和らぎ、必要なタイミングで適切な対応ができるようになります。

子どもの健やかな歯の成長を見守るために、ぜひ最後までご覧ください。

乳歯は20本、永久歯は28本+親知らず4本が一般的

乳歯は20本、永久歯は28本+親知らず4本が一般的

乳歯がすべて生えそろうと、上下それぞれ10本で合計20本になります。

幼児期の顎の大きさに対して、20本がちょうどよい本数とされています。

永久歯になると本数は増えて、上下14本ずつの計28本が基本です。

大人の顎の大きさに合わせて奥歯の数が増えて、食べ物を噛む力が高まります。

また、この28本に加えて、奥歯のさらに奥に親知らず(第三大臼歯)が生える方もいます。

親知らずは上下左右に1本ずつ、最大で4本生える可能性がありますが、生えるかどうかは人により異なります。

【年齢別】永久歯の本数の目安

【年齢別】永久歯の本数の目安

永久歯が生え変わるスピードには、個人差があります。

  • 6歳ごろ:約4本
  • 7〜8歳ごろ:約6〜10本
  • 9〜10歳ごろ:約10〜20本
  • 11〜12歳ごろ:約24〜28本
  • 13歳以降:約28本+親知らず

あくまでも目安なので、数本の差や数か月のズレがあっても過度に心配する必要はありません。

6歳ごろ:約4本

6歳前後になると、最初の永久歯である6歳臼歯(第一大臼歯)が上下左右に1本ずつ生え始めます。

乳歯の一番奥にある第二乳臼歯のさらに奥から生えてくるため、生えたことに気づきにくいのが特徴です。

また、歯ぐきに歯の一部が覆われており、歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい傾向があります。

ただ、6歳臼歯はかみ合わせの基準となる大切な歯です。

将来の歯並びや咀嚼にも関わるため、この時期こそ丁寧なケアが欠かせません。

7〜8歳ごろ:約6〜10本

下の前歯(中切歯・側切歯)や上の前歯が乳歯から永久歯へと順に生え変わり始めるタイミングです。

前歯の形や大きさが変わり、見た目にもはっきりとした変化が見られるため、生え変わりを実感しやすい時期といえるでしょう。

ただし、生え変わる順番やタイミングには個人差があります。

片側だけ先に永久歯が生えるケースも少なくありません。

また、乳歯が抜ける前に永久歯がずれた位置から生えてくる二重歯列になることもあります。

9〜10歳ごろ:約12本

この時期になると、小臼歯と呼ばれる奥歯が生え始めます。

小臼歯は乳歯の臼歯と入れ替わる永久歯で、食べ物をかみ砕く役割を担う大切な歯です。

生え変わりの進み具合には個人差があり、一気に多くの歯が入れ替わる子もいれば、時間をかけてゆっくり進む子もいます。

周囲と比べて遅れているように見えても、成長のペースとして問題がないことがほとんどなので、あたたかく見守ってあげましょう。

11〜12歳ごろ:約24〜28本

第二大臼歯(12歳臼歯)が奥に生えて、永久歯列がほぼ完成に近づきます。

上下左右に1本ずつ、合計4本の12歳臼歯が加わることで、親知らずを除いた28本の永久歯がそろうタイミングです。

乳歯が永久歯に置き換わっていくなかで、かみ合わせや歯並びの最終的なバランスが決まる重要な時期でもあります。

第二大臼歯は口のいちばん奥に生えてくるため、気づかれにくく、磨き残しが出やすい歯でもあります

年齢的に仕上げ磨きを卒業する家庭も多くなりますが、セルフケアの習慣が定着するように声かけやサポートを続けましょう。

13歳以降:約28本+親知らず

13歳以降になると、親知らず(第三大臼歯)を除いた28本の永久歯がほぼ生えそろうのが一般的です。

個人差はありますが、12歳臼歯までしっかり生えていれば、基本的な永久歯列は完成してると言えます。

親知らずは、10代後半から20代以降にかけて生えてくる方もいれば、生えてこない方もいます。

生える位置や生え方によっては、歯並びやかみ合わせに影響する場合もあるため、違和感がある際は歯科医院でのチェックをおすすめします。

永久歯の本数に異常があるときの4つの原因

永久歯の本数に異常があるときの4つの原因

永久歯の本数に異常がでるのは、以下の4つの原因が考えられます。

  1. 先天性欠如
  2. 埋伏歯
  3. 過剰歯
  4. 癒合歯

どのような原因があるのかを知っておくと、歯の本数に違いがある理由も理解しやすくなりますよ。

1.先天性欠如

永久歯のもとになる歯胚(しはい)がもともと存在せず、歯が生えてこない状態です。

下の第二小臼歯や側切歯などに多く見られ、歯並びやかみ合わせに影響します。

日本小児歯科学会が実施した調査によると、7歳以上で歯科を受診した子どものうち、約10人に1人の割合で確認されています。
引用元:公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会

原因は明らかになっていませんが、遺伝や薬物の副作用などが考えられています。

2.埋伏歯

埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯が顎の骨や歯肉の中に埋まったまま、正常な位置に生えてこない状態を指します。

見た目では確認できないため、保護者が気づきにくく、レントゲン検査で初めて発見されることが多いのが特徴です。

主な原因としては、顎の骨に歯が生えるためのスペースが不足している点が挙げられます。

また、歯の向きが横や斜めになり、まっすぐに生えない場合もあります。

3.過剰歯

過剰歯は、歯が正常な本数よりも多く形成される状態を指します。

はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝や歯胚が分裂することで余分な歯ができると考えられています。

上の前歯の間、つまり正中部に現れる「正中過剰歯」が代表的です。

隣接する永久歯が生えるのを邪魔したり、歯並びが崩れたりする原因になる場合があります。

4.癒合歯

2つの歯の芽がくっついて、1本の大きな歯のように形成される状態を指します。

幅が広く、中央にくぼみがあるなど、通常とは異なる形の歯として見た目に表れやすいのが特徴です。

はっきりとした原因はわかっておらず、歯の形成初期に隣接する2つの歯胚が接触したまま成長したと考えられています。

癒合歯は歯の形状がいびつになりやすく、歯ブラシが届きにくい凹凸やすき間ができ、虫歯や歯肉炎のリスクが高くなります。

永久歯の本数が少ない・多いときに起こる影響

永久歯の本数が少ない・多いときに起こる影響

永久歯の本数が平均より少なかったり、多く生えていたりすると、以下のような影響を及ぼすことがあります。

  • 歯並びが乱れやすくなる
  • かみ合わせが悪くなり噛む力が低下する

こうした影響があるので、早めの対応が大切です。

歯並びが乱れやすくなる

歯の本数が少ない場合や多すぎるときも、歯並びが乱れやすくなります。

本数が少ない場合は、歯と歯の間にすき間ができやすく、隣の歯が倒れ込んだり位置がずれたりする原因になります。

一方で、過剰歯がほかの歯の生えるスペースを奪い、周囲の歯が押し出されてズレることで、歯並びが乱れるケースもあります。

歯並びの乱れは見た目の問題だけでなく、歯磨きがしづらくなる要因です。

歯並びの乱れにより磨き残しが増えると、プラークがたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる場合があります。

かみ合わせが悪くなり、噛む力が低下する

本数が少ないと、噛む力を複数の歯に均等に分散できなくなり、一部の歯に過度な負担がかかることで痛みが出やすくなります。

その結果、片側だけで噛むクセがつき、あごの筋肉に左右差が生じる場合もあります。

また、うまくかめないことで、繊維質の多い野菜や硬い食材を避けがちになり、栄養バランスが偏る可能性も。

成長期の子どもにとって、食べるものが限られるとストレスに感じるかもしれません。

永久歯の本数に異常があるときの治療法

永久歯の本数に異常があるときの治療法

永久歯の本数が足りないとわかった場合、主に以下の治療を行います。

  • 部分入れ歯
  • ブリッジ
  • 矯正
  • 乳歯の長期保存

多くの治療法があるので、異常がある場合はまず歯科医院を受診しましょう。

部分入れ歯

永久歯が生えてこない場所に、着脱できる人工の歯を入れて、見た目や噛む力を補う方法です。

この治療は、先天性欠如や埋伏歯で、歯の数が足りない場合に検討されます。

永久的なものではなく、インプラントやブリッジが装着できるようになる15歳ごろまでのつなぎとして使われるケースが多いです。

◉メリット
・取り外し式でお手入れしやすい、成長中の子どもの歯列にも合わせやすい
・歯があるように見せられることで、心理的な安心感を得やすい
◉デメリット
・毎日取り外して洗浄する必要がある
・装着すると口の中に違和感や痛みを伴う場合がある

ブリッジ

永久歯が欠如している部分に、両隣の歯を支えとして人工歯を固定する治療法です。

ブリッジは部分入れ歯と同様、先天性欠如や埋伏歯など歯の本数が足りない場合に行います。

処置ができるのは顎の成長がほぼ完了する、15〜18歳以降です。

◉メリット
・固定式のため、見た目や噛み心地が自然に近い
・取り外しの手間がなく、違和感が少ない
・部分入れ歯よりも安定性が高く、発音や咀嚼がスムーズ
◉デメリット
・両隣の健康な歯を削る必要がある

矯正

歯の位置や向きを調整し、かみ合わせや歯並びを整える治療法です。

先天性欠如や埋伏歯など歯が足りない症状のほか、過剰歯や癒合歯による歯並びの乱れにも対応できます。

6〜10歳ごろの混合歯列期以降に行うのが一般的です。

◉メリット
・基本的に歯を削らずに治療できる(癒合歯の場合、歯の幅が広いため、調整のために削るケースがある)
◉デメリット
・治療期間が数年にわたることが多く、継続的な通院が必要
・器具を装着したときの見た目や違和感を嫌がる子もいる

乳歯の長期保存

永久歯の先天性欠如などで、後続の歯がない場合に、乳歯を抜かずに残して使う方法です

乳歯の長期保存は、永久歯の先天性欠如(特に前歯や小臼歯)、埋伏歯、癒合歯などがある場合に検討されます。

乳歯の根がしっかり残っており、噛む・話すなどの機能に問題がなければ、保存処置は可能です。

◉メリット
・天然歯なので見た目も自然で、嚙み合わせが崩れない
・他の歯を削ったり、補綴物を入れたりする必要がない
◉デメリット
・根が吸収していくと、やがて抜け落ちる可能性がある
永久歯が生えてこないときの治療について、もっと詳しく知りたい方は、「永久歯が生えてこない4つの原因|受診の目安や放置するリスクまで徹底解説」の記事もご覧ください。
永久歯が生えてこない4つの原因|受診の目安や放置するリスクまで徹底解説
永久歯が生えてこないのは、先天性欠損や埋伏歯といった原因が考えられます。ほとんどの場合、生えてくるので経過観察で問題ありませんが、長期間生える傾向が見られないときは歯科医院で診てもらうのをおすすめいたします。この記事では、永久歯が生えてこない4つの原因と受診の目安、放置するリスクを解説します。ぜひご覧ください。

永久歯の本数に異常があるかどうかを見分ける3つの方法

永久歯の本数に異常があるかどうかを見分ける3つの方法

子どもの永久歯の本数に異常がある?

このように不安を感じている方は、以下の3点を参考にしてください。

  1. 乳歯が抜けてから半年たっても永久歯が生えてこない
  2. 左右で生え方に大きな差がある
  3. 歯科医院でレントゲンを撮影する

心配しすぎる必要はありませんが、状況に応じて歯科医院に相談すると安心です。

1.乳歯が抜けてから半年たっても永久歯が生えてこない

通常、乳歯が抜けたあと2〜3か月以内には永久歯が見え始めます。

その一方で、半年以上経っても生えてこない場合は注意が必要です。

永久歯のもとになる歯胚がもともと存在しない先天性欠如の可能性があります。

歯ぐきの中で歯の向きが悪く、正しい位置に生えてこられないケース(埋伏歯)も考えられます。

見た目にはわからない場合が多いため、半年たっても永久歯が生えてこないときは、受診するのがおすすめです。

2.左右で生え方に大きな差がある

乳歯から永久歯への生え変わりは、左右ほぼ同時期に進むことが多いです。

そのため、片側だけ乳歯が残っていたり、永久歯の生え方に差があったりする場合は注意が必要です。

こうした左右のズレを放置しておくと、かみ合わせのバランスが崩れ、あごや筋肉への負担が偏る原因にもなります。

普段の仕上げ磨きの中で、お母さんが左右の生え方の違いに気づけるよう意識しましょう。

3.歯科医院でレントゲンを撮影する

永久歯の本数や位置の異常は、肉眼だけでは判断が難しいため、レントゲン検査が有効です。

レントゲンを使えば、埋伏歯や先天性欠如も正確に確認できます。

また、永久歯の向きや生える準備が進んでいるかどうかも、画像で把握できます。

乳歯の歯の生え方に不安があるときは、歯科医院でのレントゲン撮影を検討してみてください。

永久歯の本数に関するよくある質問

永久歯の本数に関するよくある質問

Q1.乳歯の後ろから永久歯が生えてきたらどうすればいいですか?

乳歯がまだ抜けていないのに、永久歯が後ろから生えてくるのは、珍しいことではありません。

乳歯がグラグラしている場合は、そのまま様子を見て問題ないケースがほとんどです。

自然に乳歯が抜けたあとは、舌や唇の力で後ろに生えた永久歯が少しずつ前に移動し、正しい位置に整っていくこともあります

ただし、スペースが足りなかったり、乳歯がグラついていない場合は、永久歯が前に動けず、歯並びに影響する可能性があります。

そのようなときは、歯科医院での抜歯を検討しましょう

Q2.レントゲンを撮れば歯の本数がわかりますか?

はい、わかります。

レントゲンを撮ることで、歯ぐきの中にある永久歯の芽(歯胚)や、過剰歯を確認できます。

乳歯の下に永久歯が存在しているか、位置に異常がないかなど、肉眼では見えない情報を把握できるのがメリットです。

また、虫歯の進行具合や歯の根の状態など、本数以外の異常も合わせてチェックできます。

【まとめ】永久歯の本数が気になったら、まずは歯科医院へご相談を

【まとめ】永久歯の本数が気になったら、まずは歯科医院へご相談を

永久歯の本数には個人差があり、異なっていても慌てる必要はありません。

同じ年代の子どもと異なるからといって、すぐに問題があるとは限りませんが、放置すると歯並びやかみ合わせに影響するので注意が必要です。

日頃から子どもの歯を観察し、「ちょっと生えてくるのが遅い」「左右で生え方に差がある」と感じたら、歯科医院に相談しましょう。

坂井歯科でも必要に応じたアドバイスや治療をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

寝屋川市 香里園の歯医者|坂井歯科医院
寝屋川市香里園の歯科・歯医者の坂井歯科医院は夜21時まで(木・土は18時まで)診療。香里園駅から徒歩3分。お電話やWEBからご予約随時可能です。一般歯科、小児歯科、矯正歯科、その他インプラントやホワイトニングにも対応。笑気麻酔や静脈内鎮静麻...

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