


歯がしみる原因は虫歯以外にも、知覚過敏や歯周病、歯ぎしりなど、さまざまです。
原因が違えば対処法も異なるため、自己判断で放置すると症状が悪化する可能性があります。
今回は、冷たいものがしみる原因と症状、放置するリスク、受診する目安などを解説します。
なぜしみるのかを理解し、受診すべきかどうかを正しく判断しましょう。
今日からできるセルフケアも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
冷たいものがしみる6つの原因と症状

冷たいものがしみる原因はひとつとは限りません。
- 虫歯|しみる感覚が続き、噛むと痛みがある
- 歯周病|歯と歯ぐきの境目がしみる
- 知覚過敏|一時的にキーンとしみる
- 歯のひび割れ|噛んだときに違和感を覚える
- 歯ぎしり・食いしばり|特定の歯がしみる
- 酸蝕症|複数の歯が全体的にしみる
症状の特徴を知り、自分がどれに当てはまるか確認してみましょう。
1.虫歯|しみる感覚が続き、噛むと痛みがある

しみた後、痛みがなかなか治まらない場合、虫歯の可能性があります。
虫歯が進行すると神経に近い象牙質が露出し、冷たい刺激が伝わりやすくなります。
虫歯でしみると、冷たいものに触れてから10秒以上痛みが続くのが特徴です。
歯が黒くなっていたり、穴が開いていたりといった見た目の変化も虫歯を見分けるサインです。
初期虫歯の症状は「虫歯の初期症状と痛みの特徴は?自宅でできる応急処置や悪化の防ぎ方を徹底解説」でも具体的に説明していますので、ぜひご覧ください。

2.歯周病|歯と歯ぐきの境目がしみる

歯周病は歯を支える骨が溶け、歯ぐきに覆われていた歯根が露出する病気です。
歯根はエナメル質に覆われておらず刺激に弱いため、冷たい水や空気でしみやすくなります。
歯周病の典型的な症状として、以下が挙げられます。
- 歯と歯ぐきの境目がしみる
- 歯ぐきの腫れ
- 出血
- 口臭
悪化すると歯がグラグラして、物が噛みにくくなるので放置しないようにしましょう。
3.知覚過敏|一時的にキーンとしみる

しみるのが一瞬でおさまる場合、知覚過敏の可能性があります。
知覚過敏は、象牙質が露出して冷たい刺激が神経に伝わりやすくなると現れます。
虫歯とは異なり、刺激がなくなればすぐにしみが治まるのが特徴です。
症状が軽い場合は、知覚過敏用の歯磨き粉を使うと改善するケースもありますが、しみる症状が続く場合は歯科医院で相談するのがおすすめです。
4.歯のひび割れ|噛んだときに違和感を覚える

噛んだ瞬間に痛みを感じたり、特定の歯だけがしみたりする場合、歯にひびが入っているケースがあります。
見た目では気づきにくく、自覚しないまま症状が進行する場合も少なくありません。
ひび割れは、以下のようなことがきっかけで起こります。
- 歯ぎしり・食いしばり
- 硬いものを噛んだ衝撃
- 神経を抜いた歯
- 転倒や衝突などの外傷
- 加齢による歯の劣化
ひびが浅い場合、冷たいものが特定の歯だけしみる程度です。
しかし、深くなると温かいものがしみたり、噛むたびに痛みを感じたりするようになります。
5.歯ぎしり・食いしばり|特定の歯がしみる

歯ぎしりや食いしばりが習慣になると、強い力でエナメル質が少しずつすり減り、象牙質が露出してしみるようになります。
次のような症状に心当たりがある方は、歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があります。
- 朝起きたときに顎が疲れている
- 歯が以前より短くなってきた
- 特定の歯だけがしみる
- 歯にひびが入ったことがある
歯ぎしり・食いしばりは無意識の習慣のため、自力でやめるのは難しいでしょう。
心当たりがある場合は、歯科医師に相談し、歯への負担を抑える処置が必要です。
6.酸蝕症|複数の歯が全体的にしみる

酸蝕症とは、食べ物や飲み物に含まれる酸によってエナメル質が溶ける病気です。
エナメル質が広範囲にわたって溶けるため、複数の歯が全体的にしみるのが特徴です。
また、次のような見た目の変化も酸蝕症のサインです。
- 歯の表面のツヤがなくなった
- 前歯の先端が薄く透けて見える
- 歯全体が以前より短くなった気がする
炭酸飲料や柑橘類の過剰摂取のほか、逆流性食道炎による胃酸の逆流が原因になることもあります。
治療した歯がしみるケースもある!その理由を解説

治療後でも、以下のような歯がしみるケースがあります。
- 虫歯治療後の歯
- 銀歯・被せ物をしたが歯
- 神経を抜いた歯
「治療したのに……」と不安にならないためにも、原因を理解しておきましょう。
虫歯治療後の歯

虫歯を削ると、歯の内部にある神経が治療の刺激を受けて敏感になることがあります。
虫歯が深かった場合、神経の近くまで削るので、治療後は冷たい刺激が神経に伝わりやすい状態です。
ほとんどの場合、時間が経つにつれて神経の興奮がおさまり、症状は落ち着いていきます。

銀歯・被せ物

銀歯や被せ物を入れたあとに、冷たいものがしみることがあります。
主な原因は次の3つです。
- 金属が温度を伝えやすい
- 治療後に神経が敏感になっている
- 銀歯の下で虫歯が再発している(二次カリエス)
金属は熱を伝えやすい性質があります。
銀歯は金属でできており、冷たい飲食物が歯の内部に伝わりやすいのが特徴です。
また、時間が経つと銀歯と歯の境目から細菌が入り込み、銀歯の下で虫歯が再発するケースがあります。
これを二次カリエスといい、しみる原因のひとつです。

神経を抜いた歯

基本的に、神経を抜いた歯はしみません。
しかし、歯の神経をとっても、その周りの歯ぐきや歯根膜、歯槽骨には神経があります。
そのため、磨き残しによって歯ぐきが腫れると、神経のない歯でも痛みや違和感を覚えるケースがあります。
腫れが強くなると、ズキズキと痛むので、丁寧に歯ブラシをしてケアすることが大切です。
症状が続く場合、歯科医院でクリーニングや噛み合わせの確認を受けると安心です。
歯がしみるのを放置するとどうなる?

歯がしみる症状は、原因によって放置すると悪化するケースがあります。
主に考えられるリスクは以下のとおりです。

時間が経てば症状は消えると思い、様子を見る方もいます。
放置すると症状が進み、痛みや歯のぐらつきが現れることがあります。

虫歯を放置する危険性は、「虫歯の放置が招く5つのリスク|痛みが消えたら危険サイン!忙しい・怖いが通用しない理由を解説」でも進行度別に説明していますので、ご覧ください。

歯科医院を受診するか迷ったときの判断ポイント

次のような症状がある場合、歯科医院の受診を検討しましょう。
- しみるのが1週間以上続く
- 温かいものや甘いものでしみる
- 噛んだときに痛い
- 歯ぐきが腫れている、出血する
- 何もしなくてもズキズキする
受診の際は、以下を伝えると診療がスムーズに進みます。
- いつからか
- どの歯がどんなときにしみるのか
- しみが続く時間
- 痛みはあるのか
症状を具体的に伝えると、原因を特定しやすくなりますよ。
歯がしみるときに歯科医院で行う治療

冷たいものがしみる場合、歯科医院では原因に応じた治療を行います。
- 虫歯の場合
- 歯周病の場合
- 知覚過敏の場合
- 歯ぎしりや食いしばりの場合
- 歯のひびの場合
- 酸蝕症の場合
いずれも軽度であれば治療も簡単なもので終わります。
重症化する前に、診てもらいましょう。
虫歯の場合

虫歯でしみる場合、進行度に合わせて次のような治療を行います。
- 白い詰め物をする
初期の虫歯は、歯科用プラスチックで修復します。
- 詰め物や被せ物をする
虫歯が大きい場合、歯を削ったあとにインレーやクラウンと呼ばれる詰め物や被せ物をします。
- 根管治療
虫歯が神経まで進行している場合、神経を取り除き、歯の内部を消毒してから詰め物や被せ物で修復します。
早く発見するほど歯を削る量が少なくなり、神経を残せる可能性が高くなります。
歯周病の場合

歯周病は、歯ぐきの炎症を抑え、口内環境を清潔にすることが大切です。
- 歯石除去
専用の器具を使い、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯垢や歯石を除去します。
- ルートプレーニング
歯周ポケットの奥に付着した歯石を除去し、歯根の表面を滑らかに整えます。
歯ぐきの炎症が落ち着くと、深かった歯周ポケットは次第に浅くなり、しみる症状は消失していきます。
知覚過敏の場合

知覚過敏がある場合、露出した象牙質への刺激を抑える治療を行います。
- 知覚過敏抑制剤の塗布
歯の表面に薬剤を塗り、象牙質の細い管をふさいで神経に刺激がいくのを抑えます。
- レジンによるコーティング
歯と歯ぐきの境目を歯科用プラスチックで覆い、しみる症状を抑えます。
ブラッシング圧が原因で知覚過敏を発症した場合、歯磨き方法の見直としてブラッシング指導を行うことがあります。
歯ぎしりや食いしばりの場合

歯ぎしりや食いしばりをする方は、マウスピースで歯にかかる圧力を抑えることが必要です。
歯ぎしりや食いしばりの原因のひとつにストレスがあるといわれており、無理にやめるのではなく、歯を保護することを目的に治療します。
慣れるまでは違和感を覚える方もいますが、装着を続けると歯へのダメージが防げ、冷たいものがしみる症状の改善につながることがあります。

歯のひびの場合

歯のひびは、深さや方向によって治療方法が異なります。
- 被せ物をして補強する
ひびが浅い場合、歯を被せ物で覆い、噛めるようにします。神経がない歯は割れやすいため、被せ物が欠かせません。
- 根管治療
ひびが神経まで達すると、激しい痛みが現れます。この場合、根管治療で神経を除去し、最終的に被せ物を装着します。
- 抜歯
歯根まで大きく割れている場合、歯を残すのは難しいため、抜歯が必要になることがあります。
歯のひびは自分で気づきにくく、放置しがちです。
そのまま放っておくと、歯が縦に割れ抜歯になるケースもあるため、噛んだときに痛みを感じる場合は早めに診てもらいましょう。
酸蝕症

酸蝕症で歯がしみる場合、溶けて薄くなった歯を保護し、必要に応じて修復を行います。
- フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗り、再石灰化を促します。歯質を強くして、酸によるダメージの進行を抑えるのが目的です。
- レジンによる修復
軽度の場合、歯科用プラスチックですり減った部分を詰めます。
- 被せ物
歯の溶け方が大きい場合、被せ物をして歯を保護し、噛む機能を回復させます。
酸蝕症は生活習慣が関係している場合もあり、原因を取り除かないと何度も繰り返します。
次に解説する自宅でできる対処法で症状を抑えていきましょう。
【できれば歯医者に行きたくない】自宅でできる4つの対処法

歯がしみる症状を悪化させないために、日常生活で取り組める4つの対処法を紹介します。
2.毛先の柔らかい歯ブラシで優しく磨く
3.食いしばり癖を直す
4.知覚過敏用の歯磨き粉を使う
ただし、あくまで自宅でできるケアとして活用し、症状が続く場合や悪化する場合は、歯科医師にご相談ください。
1.酸性の飲食物を控える

炭酸飲料や柑橘類などの酸性の飲食物を習慣的に摂ると、エナメル質が溶けて知覚過敏を引き起こし、冷たいものがしみます。
完全にやめる必要はありませんが、時間をかけてだらだら飲んだり、食べたりする習慣は、特に歯が溶けやすくなります。
飲み物の場合、ストローを使うと酸が歯に直接触れる時間を短くできるのでおすすめです。
炭酸飲料には砂糖が多く含まれている場合もあり、虫歯リスクも減りますよ。

2.毛先の柔らかい歯ブラシで優しく磨く

汚れを落としたいからといって、力を入れてゴシゴシ磨くのは逆効果です。
硬い毛の歯ブラシで力を入れすぎると、摩擦によって歯の根元が露出し、冷たいものがしみます。
歯ブラシは毛先の柔らかいものを利用し、軽い力で磨きましょう。
適切なブラッシング圧は150gが目安といわれています。

力を抜いてもプラークはしっかり落とせるので安心してください。

3.食いしばり癖を直す

食いしばりは無意識に行われるため、自分がしているか気づいていないケースもあります。
上下の歯が接触してよい時間は、食事や会話を含め1日20分程度といわれています。
これを超えると、エナメル質がすり減って象牙質が露出し、冷たいものがしみます。
食いしばりを改善するコツは、舌を上顎の歯の付け根に置くこと。
そうすると、自然に歯が離れます。

まずは日常生活の中で意識してみましょう。
4.知覚過敏用の歯磨き粉を使う

知覚過敏で冷たいものがしみる場合、知覚過敏用の歯磨き粉を使うのもひとつの方法です。
ドラッグストアで手軽に購入でき、毎日の歯磨きに取り入れるだけで対策できます。
効果を高める使い方のポイントは次のとおりです。
- しみている部分に歯磨き粉をたっぷり塗ってから磨く
- 磨いたあとのうがいはなるべく少量にして、有効成分が残るようにする
- 歯磨き後最低1時間は飲食を控え、成分を歯になじませる
症状が改善しても、使用をやめると再びしみ始める可能性があるため、継続して使い続けることが大切です。
冷たいものがしみる原因を特定し、正しく対処しよう!

冷たいものがしみる場合、原因によって対処法が異なります。
今回紹介した症状を参考に、自分がどれに当てはまるか確認してみましょう。
セルフケアで改善しない場合や1週間以上しみが続く場合は早めの受診がおすすめです。
早期に原因を特定するほど治療の負担が少なく、軽い処置で済む可能性があります。
気になる症状がある方は、坂井歯科へお気軽にご相談ください。
お口の中をチェックし、症状に合わせた治療方法をご提案いたします。
ホームページから予約できますので、お気軽にお問い合わせください。


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