ジルコニアについて

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皆様こんにちは。

坂井歯科の坂井でございます。

 

あと1ヶ月少しでクリスマスですね。

今年は息子、娘、孫を招待して家でパーティーをしようと計画しています。

そして実は開業して35周年の記念すべきクリスマスなので、今までずっと支え続けてくれている妻に、少し豪華なプレゼントしたいと考えています。

立派なダイヤモンドのネックレスはどうかなぁと思っています。

 

 

皆様は歯科でもダイヤモンドと呼ばれている素材があることをご存知でしょうか。

それは「ジルコニア」という材質です。

2005年に国内で初めて厚生労働省の許認可を取得した材質で、二酸化ジルコニウムというジルコニアの酸化物で融点が2700度と高く、透明でダイヤモンドのような屈折率をもつために歯科界でのダイヤモンドと呼ばれています。

 

皆様の身近なところでは最近、白いセラミック製の包丁を見かける機会がホームセンターなどでもあると思いますが、あの包丁もジルコニアで作られています。硬く刃こぼれしにくいのが、ジルコニア製包丁の特徴です。

 

その特徴を活かした歯科でのジルコニア治療は、とても頑丈で幅広く使用が可能なセラミック治療として人気を呼んでいます。更に、白く透明感もあり、審美性にも優れている材質であり、品質改良も進められています。

今までの一般的なセラミックの材質では強度があまりなく、強く噛み合わせることが困難でした。

しかし、ジルコニアはセラミックの種類の中でも群を抜いて丈夫です。

奥歯に使用しても十分強度が保たれます。

 

したがって歯科治療で使えるセラミックの範囲がかなり広がりました。

以前はブリッジやインプラントなどの土台に使用する時は金属で補強しなければならなかったのですが、高い強度のあるジルコニアは単独素材での使用が十分に可能です。

 

お口の中は歯にとって厳しい環境なのはご存知でしょうか?

 

どういうことかと言いますと、日々私たちは口から食事をします。

毎日、コーヒーやお茶、スープなどの熱いもの、レモンやお酢など強い酸性のもの、アルカリ性の食品や飲み物など歯は日々刺激に晒され続けています。結果どうなるかと言うと、歯が汚れる、溶ける、ばい菌が付着しやすくなるなど、好ましくない影響を食事の度に受けています。

 

これはお口の中にある詰め物や被せ物、インプラントにとっても同じなのです。

ところが、ジルコニアは非常に安全な材質で、熱や酸、アルカリに強いので長期間使用を続けても、機能的には一切変化がありません。

 

ジルコニアは耐熱性が高いためスペースシャトルの外壁に使用したり、医科では骨の代替素材に使用されるほど生体親和性が高いのです。

アレルギーの原因にもなりません。

 

しかしながら、ジルコニアにも弱点はあります。

それは、場合により歯を削る量が少し多いということです。

 

なぜ歯を削る量が多くなるかと言うと、ジルコニアの表面はポーセレンというセラミックで覆うため二重構造になっています。二重構造にするためには、どうしてもその分厚みが必要になってくるのです。

もう一つの弱点は表面が割れてしまう可能性があることです。

ジルコニアが割れるのではなく表面を覆っているポーセレンが割れてしまうことがあるということです。

 

ポーセレンの部分はジルコニアに比べて審美性は高いのですが強度が落ちる場合があり、ケースによってはポーセレン部分を用いない方が都合よく治療をおこなえるケースもあります。

 

その場合は若干審美性が損なわれるものの、奥歯などの力がかかりやすい部位には二重構造ではなくジルコニア単体で作ることもあります。

 

また、歯ぎしりや食いしばりなどがある患者様にはナイトガードやマウスピースを作ることもおすすめさせていただきます。

 

このように一人一人、お口の中の状態に合わせてきちんと検査、審査、診断が必要ですので、ジルコニアは最新の機械を使って作製します。3Dプリンターのようにパソコンで設計をし、ジルコニアの塊を削り出して作製するので、精度が高く、精密な歯を作製する事が可能になっています。

 

従来の保険適応でよく用いられている金属は、溶かして固めているのでどうしても精度が落ちてしまいました。金属は特性上、膨張と収縮を繰り返しながら最終的な形に落ち着くので、材質によっては精密に歯を製作する事が、相当困難を伴う場合があります。

 

しかし、ジルコニアはジルコニアのブロックを機械で削り出すので、機械の性能が良ければ良いほど、良質な歯を作る事が出来ます。

 

これらのことを総合すると、ジルコニアは有能な材質と言えるでしょう。

 

現在、セラミックにも色々種類があります。

有能だからといって、全ての治療に対し、ジルコニアが万能な訳ではありません。場合によっては金属の方が適するというケースもあるでしょう。

 

お口の中の状態や部位、噛み合わせなどをしっかり診断し、担当医ときちんと相談してご自身に一番適した選択をしましょう。

 

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