乳歯が抜けない4つの原因!自分で抜いても良い場合や注意すべきことも解説

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乳歯がなかなか抜けないけど大丈夫かな…

子どもの歯がグラグラしているけど、自分で抜いても良いの?

乳歯が抜けない原因は何?

子どもの歯の生え変わりが遅いと、不安になりますよね。

なかなか抜けないのは、永久歯の成長がゆっくりだったり、永久歯がなかったりすることが原因かもしれません。

放置すると、歯並びや噛み合わせが悪くなるなどの可能性があるため、早めに歯科医に相談しましょう。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 乳歯が抜け始める時期は6歳ごろ
  • 歯が抜けないのはなぜ?よくある4つの原因
  • 乳歯が抜けない場合の永久歯への影響
  • 自分で抜いてもいい?安全な方法とNGパターン
  • こんなときは歯科医院へ!受診すべき乳歯の状態
  • 乳歯が抜ける生え変わり時期に意識するべきこと

歯科医院で適切な処置を受けることで、口内トラブルを防ぎ、歯の健康を守ることにもつながります。

ぜひ、参考にしてくださいね。

乳歯が抜け始める時期は6歳ごろ

乳歯から永久歯への生え変わりは、6歳ごろから始まるのが一般的です。

下の前歯から抜け始め、12~13歳ごろまで上の前歯や奥歯などが順番に生え変わります。

この時期には個人差があるため、目安より早かったり遅かったりしても過度に心配する必要はありません。

ただし、乳歯が抜ける時期ではないのに歯がグラグラする場合は、歯科医院を受診してくださいね。

参考:環境省 子どもの歯の健康 子どもの歯

乳歯が抜けないのはなぜ?よくある4つの原因

乳歯がなかなか抜けない場合、以下のような原因が考えられます。

  1. 永久歯の成長が遅い
  2. 永久歯が埋伏歯になっていて、乳歯を押し出せない
  3. 乳歯を押し出す永久歯がない
  4. 乳歯が癒合歯になっている

生え変わりが遅い理由を理解すれば、過度な心配をせずに見守れるでしょう。

1.永久歯の成長が遅い

永久歯は、乳歯の根を少しずつ溶かしながら押し上げるように生える仕組みです。

しかし、この成長が遅いと乳歯がグラグラせずに残る場合があります。

歯の生え変わりは平均的には6歳ごろから始まりますが、個人差が大きく、7歳まで動かないケースも珍しくありません。

7歳を過ぎても乳歯にまったく変化が見られない場合は、永久歯が発育中であるか、他の原因が関与している可能性があります。

2.永久歯が埋伏歯になっていて、乳歯を押し出せない

埋伏歯(まいふくし)とは、永久歯が骨や歯ぐきの中に埋まったまま、生えてこない状態のことです。

埋まり方は、以下のようなタイプがあります。

  • 完全に埋まっている
  • 半分だけ埋まっている
  • 横向きに埋まっている

親知らずが埋伏歯になることが多いですが、他の永久歯に起こるケースもあります。

永久歯が埋まっていると、乳歯の根が吸収されず、抜けない原因になります。

3.乳歯を押し出す永久歯がない

永久歯のもとになる歯胚(しはい)が生まれつきない状態を、先天性欠如といいます。

歯胚がないため、乳歯を押し出す永久歯がなく、自然に抜け落ちないのが特徴です。

先天性欠如の原因は判明していませんが、次の要因が関係するとされています。

  • 遺伝
  • 感染
  • 外傷
  • 歯の発育期における栄養障害
  • 母親の妊娠中の栄養障害や梅毒

先天性欠如は日本人小児の約10%に見られると報告されており、前歯や小臼歯で起こりやすい傾向があります。

参考:日本小児歯科学会学術委員会 日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査 要旨

4.乳歯が癒合歯になっている

癒合歯(ゆごうし)とは、本来2本で生えるべき歯がくっついて1本になっている状態のことです。

乳歯は赤ちゃんがお腹にいるときから作られるため、その過程で隣の歯とくっついて成長したと考えられています。

癒合歯の場合、歯の根っこがうまく吸収されず、スムーズに生え変わりが起こらないことがあります。

また、癒合歯の下にある永久歯が、先天的に欠如しているケースも少なくありません。

そのため、癒合歯がある場合は、定期的に歯科医院でレントゲン撮影を行い、歯根の吸収状態や永久歯の有無を確認することが重要です。

乳歯が抜けない場合の永久歯への影響

永久歯は乳歯が抜けた場所に生えますが、歯が残ったままだと正しい位置に出てこられません。

その結果、歯並びの乱れや噛み合わせが悪くなり、あごの成長や食べ物を噛む機能にも悪影響を及ぼすことがあります。

さらに、長期間乳歯が残ると、抜歯しても永久歯が正しい位置に並ばず、矯正が必要になるケースも少なくありません。

また、乳歯と永久歯が重なることで汚れが溜まりやすくなり、歯肉炎や口臭などのトラブルが起こりやすくなります。

このような状態を防ぐためにも、歯が抜けない場合は歯科医院で診てもらいましょう!

乳歯は自分で抜いてもいい?安全な方法とNGパターン

乳歯の正しい抜き方と、やってはいけない抜き方を解説します。

  • 【OKパターン】自然にまかせて安全に抜く
  • 【NGパターン】無理に引っ張って抜く

乳歯が揺れている場合は自分で抜いても問題ありませんが、注意すべきことがあります。

自分で抜けない場合は、無理をせず歯科医院を受診してくださいね!

【OKパターン】自然にまかせて安全に抜く

乳歯が十分にグラグラしている場合、舌や指を使って揺らすと抜けることがあります。

指で揺らす際は、歯茎に雑菌が入らないように手を洗ってから歯に触ることが大切です。

乳歯が抜けた後に出血することがありますが、ほとんどの場合は自然にとまります。

出血が続くときは、清潔なガーゼを丸めて抜けた部分に当て、5分ほど軽く噛んで圧迫してください。

それでも出血が止まらない場合、心配であれば歯科医院に相談してみると安心です。

【NGパターン】無理に引っ張って抜く

歯茎にしっかりついている乳歯を無理に引っ張って抜くのは避けましょう。

力任せに抜くと、歯茎が裂けて出血したり歯根の一部が残ったりすることがあるためです。

歯茎が傷ついた部分から細菌が入り込むと、腫れや痛みの原因になります。

また、歯の根が残ったままになると、炎症や感染のリスクが高まります。

そのため、自然に抜けるのを待つか、歯科医院で安全に抜いてもらうのがおすすめです。

こんなときは歯科医院へ!受診すべき乳歯の状態

生え変わりの時期に異常があった場合、早めに歯科医院に行くことが大切です。

  1. 乳歯がいつまでも抜けない
  2. 乳歯が抜ける前に永久歯が生えている
  3. 乳歯が早く抜けそうになっている
  4. 乳歯が虫歯になっている
  5. 歯茎が膿んでいる

適切な治療を受けることで、歯の健康を守ることにつながります。

1.乳歯がいつまでも抜けない

乳歯がなかなか抜けないと、永久歯が正しい位置に出てこなかったり歯並びが悪くなったりする可能性があります。

生え変わり時期には個人差がありますが、周囲の歯よりも明らかに遅れている場合は注意が必要です。

永久歯のもとになる歯胚がない場合は、大人になっても乳歯が残っているケースも珍しくありません。

放置すると虫歯リスクも高まるので、レントゲン検査を受け、永久歯の存在を確認してもらいましょう。

参考:環境省 子どもの歯の健康 こどもの歯

2.乳歯が抜ける前に永久歯が生えている

永久歯は乳歯が抜けてから生えますが、乳歯が残っているのに永久歯が出てくるケースがあります。

とくに下の前歯ではよく見られ、乳歯のすぐ裏側から永久歯が生えることが多いです。

この場合、乳歯の根がうまく溶けず、二重に歯が並ぶ「二枚歯」の状態になります。

放置すると噛み合わせが悪くなる可能性があるため、歯科医院で適切な処置を受けることが大切です。

必要に応じて乳歯を抜歯し、永久歯が正しい位置に並ぶように調整してもらいましょう。

3.乳歯が早く抜けそうになっている

乳歯の生え変わりには個人差がありますが、あまりにも早くグラグラする場合は歯科医に相談しましょう。

下の歯は6歳、上の歯は7歳ごろから抜け始めるのが一般的です

この時期よりも早くグラつく場合は、外傷による脱臼や歯根の破折が原因かもしれません。

乳歯は、永久歯が正しい位置に生えるための目印です。

予定より早く抜けると、空いたスペースに隣の歯が傾き、永久歯の生える位置がずれることがあります。

そのままにすると歯並びが悪くなり、矯正治療が必要になるケースもあるので注意してください。

4.乳歯が虫歯になっている

乳歯が虫歯になると歯がもろくなり、自然に抜ける前に折れたり、歯根が残ったりすることがあります。

その結果、炎症や感染が起こり、処置が必要になるケースも少なくありません。

また、乳歯が虫歯になると、細菌が悪影響を与え、永久歯の発育に異常が現れたり、周囲の歯にも虫歯が広がったいするリスクがあります。

生え変わるからといって放置せず、しっかりと治療を受けましょう。

5.歯茎が膿んでいる

歯茎に細菌がたまると、乳歯の根元が膿んで歯肉が腫れることがあります。

体の抵抗力が落ちると、免疫力で抑えていた膿が歯茎に出て、おできのようなものができるケースもあります。

通常、永久歯は乳歯の根っこを溶かして真下から生えますが、膿を避けて曲がって出てくる可能性が高いです。

また、膿がたまると乳歯が早く抜けてしまい永久歯が正しい位置に並ばなくなるリスクもあります。

将来生えてくる歯のためにも、歯茎に異常があれば早めに歯科医院に行きましょう!

乳歯の生え変わり時期に意識するべきこと

歯の生え変わり時期には、日頃から意識すべきことがあります。

  • しっかりと歯を磨いて虫歯を予防する
  • 歯肉炎にならないように注意する
  • 歯並びに影響する癖を改善させる

きちんとケアして、健康できれいな歯を保ちましょう。

1.しっかりと歯を磨いて虫歯を予防する

生え変わりの時期は、乳歯と永久歯が混在しているため、歯の大きさにばらつきがあり、磨き残しが増えやすくなります。

乳歯や生えたばかりの永久歯は歯質がやわらかいため、虫歯になりやすいのが特徴です。

歯がグラグラして動かすと痛む場合は、小さめの歯ブラシを使うと歯への刺激が少なく、丁寧に磨けます。

子どもはしっかり磨けない可能性が高いため、大人の仕上げ磨きが欠かせません。

さらに、歯科医院で定期検診を受け、フッ素を塗布してもらうのも虫歯予防におすすめです。

2.歯肉炎にならないように注意する

6歳臼歯は完全に生えるのに数ヶ月かかるため、その間は歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすくなります。

そのため、この時期は萌出性歯肉炎(ほうしゅつせいしにくえん)になりやすいです。

萌出性歯肉炎とは、歯が生える際に発症する歯肉炎で、軽度の歯周病のような症状です。

しかし、大人の歯周病のように、顎の骨まで破壊されることはほとんどありません。

とはいえ、生え変わりの時期は磨き残しが増えるため、普段以上に丁寧なブラッシングを意識しましょう。

3.歯並びに影響する癖を改善させる

以下の口周りの癖は、歯並びや顎の成長に影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ早めにやめることが大切です。

  • 口呼吸
  • 指しゃぶり
  • 頬杖をつく
  • 舌を前に出す

これらの癖があると、指や舌で歯に力が加わり、前歯が傾いたり噛み合わせが悪くなったりする原因になります

もし、癖がなかなか治らない場合は、歯科医に相談するのもおすすめです。

口周りの筋肉のトレーニングや生活習慣のアドバイス、必要に応じて補助装置を提案してくれます。

家庭で解決しようとするより、専門家からアドバイスを受けることで、改善策が見つけやすくなります。

【まとめ】乳歯が抜けなくて不安なときは歯医者に相談しよう!

乳歯が抜けない原因には、永久歯が成長するスピードが遅いことや埋伏歯などが考えられます。

歯の生え変わりは6歳前後が目安ですが、時期には個人差があるので、多少遅かったり早かったりしても心配はいりません。

しかし、長期間抜けないまま放置すると、歯並びに影響を与える可能性があります。

揺れてきたら自分で抜いても問題ありませんが、無理に引っ張ると歯茎を傷つけたり、歯の根っこが残ったりするので注意が必要です。

乳歯の生え変わり時期に不安なことがあれば、坂井歯科にお気軽にご相談ください。

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