
乳歯は全部で何本あるの?

子どもの歯は何歳で生えそろうのか知りたい!

乳歯はいつ頃から生え始めるの?
乳歯の生えかわりには、個人差があります。
そのため、歯の本数や生え変わる順番などの一般的な目安を知っておくと、成長のペースを確認しやすくなります。
歯がくっついて生える癒合歯や、生えるのが遅くなるケースもあるため、気になる場合は歯科医院に相談してみましょう。
この記事では、以下の内容を解説します。
- 乳歯は上下10本ずつの合計20本!永久歯との本数の違いも解説
- 生える順番・抜ける順番と生え変わりの時期
- 乳歯が生える前に赤ちゃんに起こる3つの兆し
- 生える時期に起こりやすい3つのトラブル
- 乳歯を大切にすべき4つの理由
- ケアする3つのポイント
成長のサインを知っておくと、生え変わりが正常かの判断基準がわかるでしょう。
ぜひ、参考にしてくださいね。
乳歯は上下10本ずつの合計20本!永久歯との本数の違いも解説

乳歯には上下の歯がそれぞれ10本ずつ、合計20本あります。
一方、永久歯は親知らずを含めて32本です。

本数が増えるのは、成長とともに顎が発達し、より多くの歯を支えられるようになるためです。
永久歯のほうが乳歯より一回り大きく、エナメル質や象牙質は2倍ほどの厚さがあり、丈夫な作りになっています。
そのため、乳歯にくらべて虫歯になりにくく、噛む力も強くなります。
乳歯は永久歯が生えるガイドとしての役割を持ち、歯並びやかみ合わせを正しく導く大切な存在です。
乳歯を構成している歯は、以下の5種類です。
- 乳中切歯
- 乳側切歯
- 乳犬歯
- 第一乳臼歯
- 第二乳臼歯

参考:文部科学省 第2章 歯・口の健康づくりの理論と基礎知識 図5 乳歯列と永久歯列
顎の成長に合わせて、より大きく丈夫な永久歯に生え変わることで、食べ物をしっかり噛めるようになり、発音や顔の骨格の発達にもつながります。
乳歯が生える順番・抜ける順番と生え変わりの時期

乳歯が生えてくる順番は、以下のとおりです。
| 時期 | 生えてくる歯 |
| 生後6ヶ月ごろ | 下の前歯 |
| 1歳ごろ | 下の前歯が合計8本になる |
| 1歳半ごろ | 奥歯が4本 |
| 2歳ごろ | 前歯と奥歯の間の歯の乳犬歯 |
| 2歳半ごろ | 奥歯が生え、20本生え揃う |
また、乳歯は以下の順番で抜ける傾向があります。
| 時期 | 抜ける歯 |
| 6歳ごろ | 下の前歯 |
| 6〜8歳ごろ | 上下の前歯4本 |
| 8〜9歳ごろ | 前歯から奥歯 |
| 11歳ごろ | 上下の奥歯 |
| 14歳ごろ | 全ての歯が永久歯に生え揃う |
生後6ヶ月ごろから前歯が生え始め、6歳前後で下の前歯から生え変わるケースが多いです。

時期や順番には個人差がありますが、気になる場合は歯科医に相談すると安心です!
以下の記事では乳歯が抜けない原因を説明していますので、ぜひご覧ください。

乳歯が生える前に赤ちゃんに起こる3つの兆し

乳歯が生える前には、以下のような変化が見られる場合があります。
- よだれの量が増加する
- 食欲が低下する
- 機嫌が悪くなったり夜泣きが増えたりする
このような様子が見られたら、乳歯が生え始める準備が進んでいるのかもしれません。

子どもの変化を観察しながら、成長を見守ってあげましょう!
1.よだれの量が増加する
生後6ヶ月~9ヶ月ごろは、唾液腺が発達し、よだれの量が増える時期です。
しかし、赤ちゃん機能が未熟で、口の中の唾液をうまく飲み込めないため、口の外に流れやすくなります。
唾液の増加は、歯が生えてくるときに起こる歯ぐきのむずがゆさや、痛みを和らげるとも言われています。

これは成長過程に起こる自然な変化であり、心配する必要はありません。
よだれの量が増加すると、口の周りに湿疹ができたりかぶれたりするため、こまめに拭いて保湿してあげましょう。
2.食欲が低下する
生後6ヶ月ごろは、乳歯が生え始める刺激で歯ぐきに不快感が生じ、食欲が落ちることがあります。
歯の萌出によって、歯ぐきの炎症や腫れが起こるのも食欲が低下する原因のひとつです。
今まではなかった歯の感覚に赤ちゃん自身も慣れておらず、違和感から食事を嫌がることもあります。

下の前歯が2本生えて感覚に慣れてくると、食欲が戻ることがほとんどです。
無理に食べさせず、やわらかい食材やスープなど、刺激の少ない食事で様子を見守りましょう。
3.機嫌が悪くなったり夜泣きが増えたりする
不機嫌になったり、泣くことが多くなったりする「歯ぐずり」は、歯が生え始める前兆です。
生後6〜8ヶ月ごろに起こるケースが多く、歯ぐきの中で歯が成長する際に痛みや痒みなどの不快感があるためだとされています。
歯ぐずりが始まったら、以下のような対策をとってみてください。
- 歯固めを使う
- 冷たいガーゼで歯ぐきをマッサージする
- 冷やしたフルーツを与える(離乳食を食べている場合)
歯固めとは、歯が生え始めた赤ちゃんの歯ぐきの違和感を緩和するおもちゃのことです。

冷たいガーゼでマッサージすることで、熱を逃し、痛みや痒みを和らげます。
また、口の中を触られるのに慣れると、今後の歯磨きトレーニングの準備にもなります。
乳歯が生える時期に起こりやすい3つのトラブル
子どもの歯が生え変わる時期は、以下のトラブルが起こりやすくなります。
- 乳歯が生えるのが遅い
- 乳歯が生える順番が違う
- 癒合歯(ゆごうし)になっている
乳歯の異変に気づいたら、早めに歯科医に相談するようにしましょう。
1.乳歯が生えるのが遅い
1歳を過ぎても、乳歯が生えてこない症状のことを乳歯萌出遅延(にゅうしほうしゅつちえん)といいます。
早産や低体重児だった場合、乳歯が生えてくるのが遅くなる傾向があります。
1歳になっても歯が1本も生えてこない場合は、念のため歯科医に相談してみましょう。

多くは治療を必要とせず、経過観察のみで自然に生えてくるケースがほとんどです。
ただし、歯が骨の中に埋まっているなどの理由で生えてこない場合は、検査や処置が必要になることもあります。
2.乳歯が生える順番が違う
以下が原因で、乳歯が出てくる順番が変わることがあります。
- 遺伝子的要因
- 成長スピードの違い
- 栄養状態
通常は下の前歯から生え始めますが、上の前歯が先に出るなど、順番が入れ替わるケースも珍しくありません。
歯の生え方は遺伝の影響もあるため、親や兄弟に似たパターンになることもあります。
また、成長や栄養の状態によって、歯が早く生えたり遅れたりするケースもありますが、ほとんどの場合は生理的な範囲内です。

ただし、歯ぐきの腫れや片側だけ遅いなどの異常が見られるときは、歯科医院で確認してもらうと安心です!
3.癒合歯(ゆごうし)になっている
癒合歯(ゆごうし)とは、1本ずつ生えてくるべき歯が2本くっついて生えてくる症状のことです。
永久歯より乳歯のほうが発症率の高い傾向があり、以下のようなリスクがあります。
- 虫歯になりやすい
- 永久歯への生え変わりがスムーズにいかない可能性がある
- 歯並びに影響することがある
- 永久歯が存在しない可能性がある
癒合歯は歯の形がいびつで、表面にある溝に汚れがたまりやすく、虫歯リスクが高くなります。
2本の乳歯がくっついていると1本とみなされ、永久歯も1本しかつくられず、本数が足りなくなることがあります。
また、一般的には乳歯の根が溶けて抜け落ち、空いたスペースに永久歯が生えるのが通常の流れです。

しかし、癒合歯の場合、乳歯の根がうまく溶かされず、自然に抜けない可能性があります。
以下の記事では、乳歯の虫歯ができる原因を詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。

乳歯を大切にする4つのメリット

乳歯は、食べる・話すなど、子どもの発達に欠かせない大切な歯です。
小さいころから正しいケアを行うと、将来の歯並びやかみ合わせにも良い影響を与えます。
他にも、子どもの歯を大切にすることで得られるメリットが多くあります。
- 食べ物をしっかり噛める
- 顔の骨格の成長をサポートする
- 言葉の発達や発音に役立つ
- 永久歯が正しい位置に生える
子どもの成長を支えるためにも、毎日のケアを丁寧に行いましょう。
1.食べ物をしっかり噛める
乳歯は食べ物を噛み切ったり噛み砕いたりして、飲み込みやすい形にする役割を担っています。
しっかり噛むことで、消化が促進され、胃腸への負担が軽減されるほか、食べ物の味を感じられ、食への関心が高まるとされています。
離乳食から固形食へ移行する際も、乳歯は欠かせません。

しっかり噛めるようになると、栄養バランスの良い食生活が身につきやすくなります。
2.顔の骨格の成長をサポートする
乳歯は、顎や顔の骨格を正常に発達させるために欠かせない歯です。
しっかり噛むことで顎の筋肉が鍛えられ、顎の骨の発達が促進されます。
乳歯が早く抜けると、十分に噛めなくなり、顎の発育が遅れるケースがあるので注意が必要です。
正常な顔の発育には、乳歯による咀嚼刺激が重要です。

日々の食事でしっかり噛む習慣を身につけると、健やかな骨格づくりにもつながります。
3.言葉の発達や発音に役立つ
乳歯があることで、舌の位置が安定して正しい発音ができるようになります。
特に、前歯は以下の音を正確に発音するために必要です。
- サ行
- タ行
- ナ行
- ラ行
乳歯が虫歯で欠けたり、早い段階で抜けたりすると、舌の位置が不安定になり、正しく発音できなくなる可能性があります。
言葉を覚える時期にうまく発音できないと、周囲の人とのコミュニケーションが取りづらくなるリスクもあります。

乳歯は噛む以外に、言葉や表情を通じて人と関わる力を育てる大切な存在です。
4.永久歯が正しい位置に生える
乳歯は、後から生えてくる永久歯の道しるべのような存在です。
永久歯は乳歯の根の下で成長し、根が吸収されるにつれ、真下から押し上げるように生えてきます。
乳歯が早く抜けると、永久歯が生えるスペースが確保できず、歯並びが悪くなる原因になります。
また、乳歯の根に膿がたまると、下にある永久歯の発育に悪影響を及ぼし、変色や形成不全が起こる場合もあるので注意しなければなりません。

乳歯を健康に保つのは、きれいな歯並びと健全な永久歯の発育につながります。
乳歯をケアする3つのポイント


乳歯ケアって歯磨きだけでいいの?

歯磨きの習慣はどうやってつけたらいいのかな…
子どもの歯を守るために、次の3つのポイントを意識しましょう。
- 上下の前歯が生えてきたら歯ブラシで磨く
- 大人が必ず仕上げ磨きをする
- 定期的に歯科検診を受診する

乳歯はエナメル質が薄く虫歯になりやすいため、日頃から丁寧なケアを続けましょう。
1.上下の前歯が生えてきたら歯ブラシで磨く
乳歯が生え始めたら、少しずつ歯磨きに慣れてもらうことが大切です。
歯磨きの姿勢や歯ブラシの感覚に慣れることから始めましょう。
膝の上に子どもを寝かして上からのぞきこむと、口の中がよく見えるのでブラッシングしやすいです。
その姿勢で、赤ちゃん用歯ブラシで口の中に軽く触れるようにします。

子どもの歯が出てきたら、歯ブラシで歯の表面をこすって汚れを落としましょう!
歯の本数が増えてきたら、歯ぐきの境目やすき間を意識してブラッシングします。
寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、虫歯菌が活発になるため、就寝前の口内ケアはしっかり行ってくださいね。
2.大人が必ず仕上げ磨きをする
1歳を過ぎたら、子どもに歯ブラシを持たせて、自分で磨く練習を始めるのがおすすめです。
子ども用と仕上げ磨き用の歯ブラシを2本用意し、大人が見本を見せて、歯磨きの方法を教えます。
歯磨き粉を使う場合は、フッ素入りやジェルタイプのものが適しています。
食後や就寝前など、1日2回歯磨きを継続して習慣化することが大切です。
自分だけではうまく磨けないため、子どもが歯磨きをした後は、大人が必ず仕上げ磨きをする必要があります。

奥歯は虫歯になりやすいため、溝の部分の汚れを落とすことを意識しましょう!
3.定期的に歯科検診を受診する
乳歯が生え始める生後6ヶ月頃を目安に、歯科検診でお口の状態を確認してもらいましょう。
歯科医院では、正しい歯磨きの方法や仕上げ磨きのコツを教えてくれます。
また、歯の生え方や歯並びの異常も早い段階で見つけられるので、将来に起こり得る歯並びのトラブル予防にもつながります。

定期的に通えば、子どもが歯科医院の雰囲気に慣れやすくなるのもメリットです!
痛くなってから通うのではなく、トラブルを予防するための方法として、検診を習慣化するのがおすすめです。
乳歯の健康を守るためにも適切にケアしよう

乳歯は上下10本ずつの合計20本あります。
生後6ヶ月ごろから生え始め、2歳半前後に生えそろうのが一般的です。
乳歯には、永久歯が正しく生えるためのガイドや、顎や顔の骨格の成長をサポートする役割があります。
歯が生える前はよだれの量が増えたり機嫌が悪くなったりする場合がありますが、これは成長のサインです。

歯が生えてきたら、子ども用歯ブラシで優しく磨き、大人の仕上げ磨きで汚れを落とすことが大切です。
さらに、定期的に歯科検診を受けて、お口の中の状態を確認してもらいましょう。
坂井歯科では、歯並びや虫歯チェックなど、お子さまの歯の健康を守るためのサポートを行っています。
お子さまの乳歯で気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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