THP 歯石除去

この記事は約4分で読めます。

皆様、こんにちは、坂井歯科医院の今道です。

今回でTHP3回目の投稿ですが、たのしみにしてくださっている方がおられたら嬉しいです。

 

恐怖の歯周病

「沈黙の病」と言われている、名前を聞くだけでも恐ろしい病気をご存知ですか?

実は・・・歯周病なのです!!

 

なぜ歯周病が沈黙の病と呼ばれているかと言うと、痛くもかゆくもなく進行し、痛みや出血などの自覚症状が出た時にはかなり進行してしまっていて、歯肉だけではなく歯を支えている骨まで溶かしてしまうので、最悪歯を失ってしまう恐ろしい病気だからです。

 

恐ろしさはそれだけではなく、歯周病菌はお口の中のみならず、歯と歯肉の隙間や血管の中にも入り込んで、体内を巡ります。その結果、心疾患や糖尿病、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの全身疾患を引き起こす可能生がある事を様々な研究機関から報告されています。

 

非常に感染力が高く成人の8割以上の方が感染していて、恐ろしく深刻な病気にも関わらず、有効な治療法が限られおり、歯周病の進行を遅らせることができても、進行を止めることはできないとされていました。

 

 

歯周病でもう悩まなくて良い?

現在THPで歯周病の進行をほぼストップさせるシステムについてレポートしていますが、今回は歯科衛生士による歯石除去についてレポートしていきたいと思います。

 

基本的に歯周病治療の中心は、歯石取りと歯磨き指導、または生活習慣の改善が中心です。検査上では無病とされても、実際には歯周病菌に感染している例が多く、従来の方法ではそれを改善する手立てが限られていました。

 

THP治療でも歯石除去や歯磨き指導、生活改善の指導を行いますが、従来の歯周病治療との違いは短期集中で治療を行うこと。そして認定制度を背景とした歯科衛生士の技術指導とチェック体制、何よりも歯茎をメスで切るなどする外科的処置は行わないという点です。

 

重度の歯周病と診断された場合、従来の保険診療では1度にできる治療が限られている事が多く、メインテナンスに移行するまでに何度も何度も足を運んでいただく必要がありましたが、THPでは約5〜8回で集中的に治療をおこなってメインテナンスに移行します。

 

THPの治療は、できるだけ短期間にお口の中の全ての歯を同時に治療することが重要であるという考えのもとシステム化されたものですので、患者様の負担がない範囲で多くの歯の治療を一度に行い、一気にお口の中から細菌を追い出すのです。

 

 

技術と治療の質を保つ為には

THP治療を行う歯科衛生士は、高度なトレーニングを積み、試験を受け、施術クオリティーを上げたスキルの高いTHP認定衛生士が担当しますので、再発を最大限防ぐ努力をしています。

 

また、本物のプロは自分で使う道具に対してもこだわりと愛着を持っているもので、それは歯科衛生士も例外ではありません。歯石を取るための道具を衛生士自らが研いで使用しますが、理由は体に対して害がなく感染部位や歯石を効果的に除去するためです。

 

 

お料理をする際に、包丁の切れが悪ければ、切る具材に余分な力をかけてしまい、切り口が乱雑になったりするご経験はないでしょうか?

医療用の刃物も同じで、組織を傷つけないようにするため、手入れは大切な仕事の一つなのです。

 

歯肉の深い部分を治療する際は、痛みを伴うため、一般的に麻酔をしてから治療することが多いですが、THPではスキルの高い衛生士が対応するので、痛みを伴うことがほとんどなく、基本的に麻酔を使用することはありません。

 

従来の治療では歯石除去を何度か繰り返し、改善が認められない場合、歯肉を切開し、直視下で歯石の除去を行い、再度歯肉を縫い合わせるという外科的な処置をしていました。その結果、歯肉が大きく下がり、根が露出した部分にしみる症状や、歯と歯の間に隙間ができたりし、患者様の精神的・肉体的負担が大きかったはずです。

 

THPでは外科的処置を行わないため、歯肉の下がりも最小限で、患者様への負担も少なく、優しい治療と言えるのではないでしょうか。

 

次回、THP治療のポイント第3段をレポートします!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました