
歯周病って自分で治せるの?

歯医者に行くべき段階かどうか、判断できない

手遅れになる前に何とかしたい
歯周病は痛みがないまま進行するため、自分で治せる段階なのか、歯医者に行くべき状態なのか、判断が難しい病気です。
しかし、正しい知識を知って早めに対処すれば、進行を食い止めて歯を守ることは可能です。
そこで本記事では、歯周病の発生する原因や進行度ごとの症状、治療方法などを詳しく解説します。

ご覧いただければ、歯周病の状態や治療の流れが理解できるので、不安を減らして対処していけます。
歯ぐきや口の中の変化が気になり始めた方は、ぜひ最後までご覧ください。
歯周病を治すのは難しい!歯ぐきの炎症を抑えるケアが必要

歯周病は、歯垢(プラーク)の中の細菌が出す毒素で、歯ぐきに炎症を起こす病気です。
進行すると歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、歯を支える骨が溶けていきます。
一度溶けた骨は元に戻らないため、「治す」より「これ以上進行させない」という意識が大切です。
早い段階で正しく対処すれば、悪化するのを防げます。

まずは、自分の歯ぐきが歯周病のどの段階にあるのかを知ることから始めましょう。
【4段階でわかる】歯周病の進行度の目安


私は、歯周病のどの段階にあるの?
歯周病には以下の4段階があります。
- 歯肉炎|歯周ポケット1~2mm
- 軽度歯周病|歯周ポケット3~4mm
- 中等度歯周病|歯周ポケット5~7mm
- 重度歯周病|歯周ポケット7mm~
それぞれの症状を理解しておくと、ご自身がどの段階にあるかイメージできて、治療の見通しが立てやすくなりますよ。
1.歯肉炎|歯周ポケット1~2mm

歯肉炎は、歯の表面に歯垢が付着し、歯ぐきが赤く腫れた状態です。

炎症は歯ぐきの表面にとどまっており、歯を支える骨へのダメージはほとんどありません。
自覚症状として、歯磨き時の出血や歯ぐきがムズムズするといった違和感があります。
ただし、痛みはほとんどなく、気づかずに過ごしているケースも少なくありません。

この段階であれば、歯垢を取り除くと炎症がおさまり、歯ぐきが引き締まる可能性があります。
2.軽度歯周病|歯周ポケット3~4mm

軽度歯周病は、炎症が歯ぐきの中にある骨にまで広がった状態です。

骨が溶け始めると同時に、歯と歯の境目にある歯周ポケットが深くなります。
症状には、歯ぐきの腫れや歯磨き時の出血がありますが、強い痛みは出ません。
歯を支える骨が溶け始めているにもかかわらず、「痛くないから大丈夫」と放置してしまうケースが多い段階です。
完全に元の状態に戻すのは難しいですが、ケアを丁寧に行い、進行を食い止めることは可能です。
3.中等度歯周病|歯周ポケット5~7mm

中等度歯周病は、歯を支える骨が半分近くまで減少し、歯周ポケットの深さが4~7mmほどに広がった状態です。
歯ぐきが下がることで歯根が露出し、しみや噛むと浮く違和感を覚えるでしょう。
さらに、歯ぐきからの膿や強い口臭など、これまで目立たなかった歯周病の症状が気になるようになります。
適切な治療と継続的なメンテナンスを行わない場合、歯のぐらつきが進みやすいので注意が必要です。
4.重度歯周病|歯周ポケット7mm~

重度になると、歯を支える骨が半分以上失われ、歯周ポケットの深さが7mm以上になる段階です。
ここまで進行すると、セルフケアで改善するのは難しいでしょう。
骨が大きく吸収されている場合、抜歯が必要になる可能性があります。
いずれにしても、歯科医院で専門的な処置が必要です。
歯周病になりやすい人の特徴は、「歯周病になりやすい人の特徴9選!セルフチェックと今日からできる自宅ケアを解説」で解説しているのでぜひご覧ください。

歯周病の治療って何をするの?検査から処置までの流れを解説

歯周病は重症化するほど、セルフケアだけで改善できません。
歯周病のため受診した場合は、以下のような治療を行います。
- 検査で歯周病の進行度を確認する
- 進行度に応じた治療を段階的に進める
早めに適切な治療を受けて、重症化を防ぎましょう。
1.検査で歯周病の進行度を確認する

まず、歯周ポケット検査を行い、歯と歯ぐきの間の深さを測定して炎症の程度や進行度を数値で把握します。
あわせてレントゲン検査を行い、歯を支える骨の量や、どの程度骨が減っているかを確認。
出血の有無や歯のぐらつきも評価し、現在の状態を総合的に判断していきます。

その上で、一人ひとりの状態や進行度に合わせた治療計画を立てます。
2.進行度に応じた治療を段階的に進める
1.歯肉炎

歯肉炎は、適切な治療とセルフケアで健康な状態に戻せる段階です。
歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間、奥歯など、汚れがたまりやすい部分の歯垢や歯石をクリーニングで取り除きます。
さらに、歯科衛生士による歯磨き指導も行い、歯ブラシの当て方や動かし方、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方を説明します。

自宅で正しいケアを続けると、歯ぐきは少しずつ引き締まり、健康なピンク色に戻りますよ。
歯ぐきの改善のために、毎日丁寧にケアを続けましょう。
2.軽度歯周病

軽度歯周病の主な治療は、歯石をしっかり取り除くことがポイントです。
具体的には、状況に合わせて以下の処置を行います。
- スケーリング:歯の表面や歯周ポケットに付着した歯石・歯垢を専用の器具で取り除く
- ルートプレーニング:歯の根の表面を滑らかに整え、細菌が付着しにくい状態にする
歯石の量が多い場合、数回に分けて治療を進める場合があります。
治療を進めると、歯石で隠れていた部分が露出することで、治療後に歯がしみたり、歯と歯のすき間が気になったりするケースがあります。

症状は時間とともに落ち着いていくので、ご安心ください。
治療後は再発を防ぐため、セルフケアの継続と定期的なメンテナンスが重要です。
3.中等度歯周病

中度歯周病になると、歯周ポケットがさらに深くなり、歯ぐきの隠れた部分にもプラークがたまるようになります。
まずは、ポケットの深い部分の汚れを専用の器具で丁寧に取り除く処置を行います。
それでも改善が難しい場合に検討するのが、フラップ手術です。
歯ぐきを一時的に開いて、直接見える状態で内部の汚れを徹底的に清掃する治療です。
溶けた骨は戻りませんが、フラップ手術によって炎症が落ち着き、歯周ポケットが浅くなる効果が期待できます。
4.重度歯周病

重度歯周病の治療は、専用の器具で歯周ポケット内の歯垢や歯石の除去から始めます。

改善が不十分の場合、フラップ手術や溶けた骨を再生する歯周組織再生療法が検討される場合があります。
基本的には歯を残す方向で進めますが、骨の吸収が大きい場合、放置すると隣の歯まで影響が及ぶため、抜歯が必要です。
抜歯後は入れ歯やインプラント、ブリッジなどで噛む機能を回復させ、長期間にわたって治療を続けていきます。
手遅れになる前に|歯周病に気づくための3つのサイン


歯周病かどうか、自分で気づく方法はあるの?
歯周病が進むと、以下のような症状が現れます。
- 口の中のねばつきや口臭の変化
- 歯ぐきの見た目や位置の変化
- 歯磨き時の出血やムズムズしたかゆみ
該当する場合、お口の中でトラブルが起こっている可能性があります。
気になる方は歯科医院で相談しましょう。
1.口の中のねばつきや口臭の変化

朝起きたときに口の中がねばついたり、口臭がきつくなったりする場合、歯周ポケット内で細菌が増えている可能性があります。
ねばつきの正体は、炎症を起こした歯ぐきからしみ出す浸出液です。
歯磨きをしても不快感やニオイが続く場合、歯ぐきの奥で炎症が進んでいるサインかもしれません。
「そのうちなくなるだろう」と放置するのは厳禁です。
悪化する前に対処しましょう。
2.歯ぐきの見た目や位置の変化

歯ぐきの赤みが強くなったり、腫れぼったくなったりしていれば、炎症が起きているサインです。
炎症がない歯ぐきは、引き締まったピンク色をしています。
歯周病が進行すると歯ぐきが下がり、以前より歯が長く見え、歯と歯の間にすき間ができたように感じます。
痛みがなくても少しずつ歯を支える骨が溶けていくので注意が必要です。
歯が長くなってきたという見た目の変化がある場合、歯周病を疑いましょう。
3.歯磨き時の出血やムズムズしたかゆみ

健康な歯ぐきは、適切な力で歯磨きをしても出血しません。
歯磨きの際に出血が見られる場合、歯ぐきに炎症が起きている可能性が高いです。
また、初期の歯周病は強い痛みを伴わないことも多く、ムズムズするようなかゆみや軽い違和感だけが続くケースもあります。
このとき注意したいのは、出血を気にして歯磨きを控えてしまうことです。
磨かないとプラークがたまり、炎症が悪化するため、優しい力で磨き続けることが大切です。
歯ぐきからの出血が気になる方は、「歯茎から血が出る5つの原因|受診する6つの目安や対処法も徹底解説」の記事もご覧ください。

歯周病の予防方法3選

歯周病の発症や悪化を防ぐために、以下の3つのケアを紹介します。
- 歯垢を残さないように磨く
- 生活習慣を見直す
- 定期的に歯科医院でチェックする

早めのケアが、症状悪化の予防につながりますよ。
1.歯垢を残さないように磨く

歯周病予防の基本は、歯と歯ぐきの境目に歯垢を残さないことです。
歯ブラシの毛先を境目にやさしく当て、5〜10mmほど小刻みに動かすと、汚れが落ちやすくなります。
強い力でゴシゴシ磨くと歯ぐきが傷つくため、鉛筆を持つように軽く握って、毛先が広がらない程度の力にしましょう。

歯ブラシの毛先が届きにくい部分には、歯間ブラシやデンタルフロスを併用して、磨き残しをなくすことを意識してください。
2.生活習慣を見直す

歯周病は口の中だけではなく、生活習慣とも関係しています。
例えば、喫煙は歯ぐきの血流を低下させるため、歯周病の発症や進行に悪影響を与えます。
血流が悪くなると炎症が起きていても気づきにくく、治療後の回復を妨げるでしょう。
また、睡眠不足や強いストレスが続くと体の抵抗力が低下し、歯ぐきの炎症が長引きやすくなります。

栄養バランスの取れた食事と十分な休息など、整った生活習慣を心がけることが、歯ぐきの健康につながります。
3.定期的に歯科医院でチェックする

どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、すべての汚れを自分で完璧に落とすのは困難です。
歯垢は時間が経つと硬い歯石に変わり、歯ブラシでは除去できなくなります。
また、歯と歯の間や奥歯の裏など、自分では見えない部分の状態を正確に把握するのも難しいものです。
歯科医院の定期検診では、歯ぐきの状態を専門家の目で確認できるため、自分で気づけない変化も早い段階で発見できます。
歯石の除去によって歯周病の原因を減らすことも可能です。
定期検診の目安は3~6ヶ月に一度。

早期発見・早期対応ができれば、大がかりな治療や費用の負担を避けられますよ。
歯周病の治し方でよくある質問

Q1.歯周病の治療はどのくらいの期間がかかりますか?

治療期間は、歯周病の進行度や歯周ポケットの深さによって異なります。
| 進行段階 | 主な治療内容 | 治療期間の目安 |
| 歯肉炎 | 歯石除去+セルフケアの見直し | 1〜2か月 |
| 軽度歯周炎 | スケーリング・ルートプレーニング+経過観察 | 3〜6か月 |
| 中等度〜重度歯周炎 | 外科的処置+継続的な治療・管理 | 6か月〜1年以上 |

進行度に応じて期間は変わるため、歯の状態を正確に把握するところから始めましょう。
Q2.歯周病は歯磨きだけで改善できますか?

歯肉炎で炎症が歯ぐきにとどまっている段階であれば、歯磨きを丁寧に行うと改善が期待できます。
特に、歯と歯ぐきの境目を意識して磨き、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することが重要です。
しかし、歯石が付着している場合は、歯磨きでは取り除くことができません。

歯科医院で歯のクリーニングを受けて、歯石を取り除く必要があります。
歯周病は放置しないことが大切!早めに受診して歯を守ろう

歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、進行すると歯を支える骨にまで影響が及ぶことがある病気です。

今回紹介した歯周病の進行段階を参考に、今の自分の状態を確認してみましょう。
また、症状がない場合も3~6カ月に一度は定期検診を受けると、早い段階でトラブルを発見できる可能性があります。
坂井歯科でも、歯周病の検査や治療、予防ケアに対応しております。
気になる症状があれば、お気軽にご来院ください。

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