
生えてきた永久歯の歯並びが悪いのはどうしたらいい?

矯正が必要かどうか知りたい

矯正するとしたら早めの方がいいの?
子どもの永久歯が生えてきたとき、「歯並びが悪いけど、矯正が必要?」と心配になる方も多いですよね。
歯並びが乱れる原因はさまざまで、成長過程の一部のケースもあれば、早めの対応が必要なケースもあります。
本記事では、以下の点をわかりやすく解説します。
- 永久歯の生え始めに歯並びがガタつく3つの理由
- 歯並びを悪化させない4つの予防法
- 矯正が必要かを見分けるチェックポイント5選
- 早期に矯正を始める4つのメリット
本記事を読めば、子どもの歯並びにどんな対応が必要か判断できますよ。

矯正すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
永久歯の生え始めに歯並びがガタガタになる3つの理由
永久歯の生え始めは以下の理由から、歯並びが悪くなりやすい傾向にあります。
- あごの成長が追いついていないから
- 指しゃぶりや舌を前に押し出す癖があるから
- 乳歯が抜けずに永久歯が生えてきたから

理由を知っておけば、歯科医院への相談タイミングを見極めやすくなりますよ。
1.あごの成長が追いついていないから
永久歯は乳歯よりも大きいので、あごの成長が追いついていないとスペース不足になり、歯並びが乱れやすくなります。
永久歯が生え始める6〜8歳ごろはあごの骨が成長途中のため、前後にズレたりねじれたりする場合があります。

成長に伴って自然に整うこともあるので、過度に心配せずに見守りましょう。
2.指しゃぶりや舌を前に押し出す癖があるから
指しゃぶりや舌で前歯を押し出すクセがあると、少しずつ歯が前方に押し出されます。
これを長期間続けていると、上の前歯が前方に傾いたり、かみ合わせが深くなったりする場合があります。

乳歯から永久歯へ生え変わる時期は歯が動きやすいため、こうしたクセに注意が必要です。
3.乳歯が抜けずに永久歯が生えてきたから
乳歯がなかなか抜けない場合、永久歯は横や後ろから生えようとして、位置がずれることがあります。

前歯では、乳歯と永久歯が同時に並んで「二重歯列」になるケースもあります。
放置すると歯並びの乱れが進行する可能性があるので、乳歯が抜ける気配がなければ、早めに歯科医院を受診しましょう。
子どもの歯並びを悪化させないための4つの予防法
子どもの歯並びを悪化させないためには、以下の4つの予防がおすすめです。
- 口呼吸をやめて鼻呼吸を意識させる
- よく噛んで食べる
- 頬杖やうつぶせ寝を避ける
- 指しゃぶりや舌を前に出す癖をやめさせる

これらを日頃から意識して、歯並びが崩れるのを防ぎましょう。
1.口呼吸をやめて鼻呼吸を意識させる
口呼吸をしていると、歯並びが悪化しやすくなります。
口が開いたままだと舌が下がり、上あごが広がらなくなることで前歯が突き出す「上顎前突」の症状が出るからです。
鼻呼吸を意識できると舌が正しい位置に収まり、あごの発達や歯列の安定につながります。

日ごろから「口が開いているよ」と、やさしく声をかけてあげましょう。
2.よく噛んで食べる
あごの骨や筋肉を発達させ、歯がきれいに並ぶスペースを確保するために、しっかりと噛んで食べることが重要です。
噛む回数が少ないと、あごが十分に成長せず、歯が並ぶスペースが不足しやすくなります。

根菜類や繊維質の多い食材を食事に取り入れると、自然と噛む回数が増えますよ。
よく噛む習慣は歯並びのためだけでなく、消化を助けたり、食事への集中力を高めたりと、成長期の子どもにとってさまざまなメリットがあります。
3.頬杖やうつぶせ寝を避ける
歯並びが乱れるのを防ぐためには、頬杖やうつぶせ寝など、一方向から顔やあごに力がかかる習慣を避けるのも大切です。
片側からの圧力が長く続くと、あごの骨の成長バランスが崩れるからです。
成長期の子どもは骨がやわらかく、わずかな力でもあごや歯列がゆがみやすい状態にあります。

机に顔を伏せて寝るクセや、横向きで長時間テレビを見るといった行動も、できるだけ控えましょう。
4.指しゃぶりや舌を前に出す癖をやめさせる
指しゃぶりや舌を前に出すクセは、歯並びが乱れる原因になるので、早い段階でやめられるようサポートしてあげましょう。

ただし、クセは子どもにとって安心材料である場合もあります。
頭ごなしにやめさせるのではなく、やさしく声かけをしながら少しずつ改善していくのがポイントです。

歯列矯正すべき「ガタガタ」の見分けポイント5選

どれくらいガタガタしてたら、矯正した方がいいの?
歯列矯正が必要かどうかの目安は、以下のとおりです。
- 永久歯同士が明らかに重なって生えている
- 生える向きが極端に傾いている
- 左右の生え方に大きなズレがある
- 噛み合わせがずれている
- 乳歯が抜けてから半年以上永久歯が生えてこない
1.永久歯同士が明らかに重なって生えている
永久歯が重なって生えている場合は、あごの骨のスペースが不足しているサインです。
歯がねじれたり重なり合ったりすると、歯ブラシの毛先が届きにくくなり、虫歯や歯ぐきの炎症が起きやすくなります。

歯が並ぶスペースの不足は、成長とともに自解消されることはほとんどありません。
矯正治療であごの幅を広げたり歯列を整えたりして、適切な位置に歯を並べる必要があります。
2.生える向きが極端に傾いている
歯が極端に斜めや横向きに生えている場合、隣の歯とぶつかったり、歯並び全体が乱れたりすることがあります。

また、かみ合わせが悪くなり、食事や発音に支障が出るのもデメリットです。
歯の生える向きは自然に整いにくいため、早めに矯正で位置を整えて、周囲の歯への悪影響を防ぎましょう。
3.左右の生え方に大きなズレがある
左右で永久歯の生えるタイミングや位置に大きな差がある場合、あごの成長バランスに偏りが出ている可能性があります。
骨の中で歯の位置がずれていたり、片側の発育が遅れていたりすると、歯列全体のゆがみにつながります。

ズレを放っておくと、かみ合わせや顔全体のバランスに影響を及ぼすこともあるため、早めの対応が必要です。
4.噛み合わせがずれている
噛み合わせが合っていない状態は、以下のような悪影響が考えられます。
- 食事がしにくくなる
- 発音が不明瞭になる
- あごの成長を妨げる
成長期のうちに矯正することで、顎関節症や咀嚼機能の低下などの将来起こりうるトラブルを防げます。

矯正でバランスを整えれば、見た目だけでなく機能面でもメリットが期待できます。
5.乳歯が抜けてから半年以上永久歯が生えてこない
通常、乳歯が抜けてから数か月以内に永久歯が生えてくるのがほとんどです。
半年以上経っても生えてこない場合、生まれつき永久歯が存在しない「先天性欠如」や、歯が骨の中に埋もれて出てこない「埋伏歯」の可能性があります。

こうした場合はレントゲン検査で状態を確認し、必要に応じて治療方針を決めていくことが大切です。
永久歯が生えない原因や対処法について詳しく知りたい方は、「永久歯が生えてこない4つの原因|受診の目安や放置するリスクまで徹底解説」の記事もご覧ください。

早めに永久歯の矯正を始める4つのメリット
子どものうちに永久歯の矯正をすると、以下のメリットが得られます。
- 虫歯や歯肉炎のリスクを減らせる
- かみ合わせや発音のズレを早期に改善できる
- 将来的に抜歯せずに済む可能性が高まる
- 大人になってから矯正するより、治療期間が短く済む可能性がある
ここでは、早期の矯正が大切な理由を解説します。
1.虫歯や歯肉炎のリスクを減らせる
歯並びが整うと、歯ブラシがすみずみまで届きやすくなり、毎日の歯磨きがしやすくなります。
ガタガタのままだと、歯と歯の間に食べかすや歯垢(プラーク)が残りやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高くなりがちです。

子どもの場合、仕上げ磨きをしていても細かい部分の汚れが残りやすいものです。

歯並びが整うことで、将来にわたってお口の健康を守りやすくなります。
2.かみ合わせや発音のズレを早期に改善できる
上下の歯が噛み合うと、食べ物をしっかり噛み砕けるだけでなく、「サ行」や「タ行」の発音もクリアになりやすいです。
かみ合わせや発音のズレを子どものうちに直しておくことで、学校生活や人とのコミュニケーションにも良い影響を与えます。

また、発音がはっきりすることで、自己表現や自信にもつながるでしょう。
3.将来的に抜歯せずに済む可能性が高まる
小さいうちから矯正を行えば、抜歯せずに済む可能性が高まります。
発達途中のあごの骨を上手に広げながらスペースを確保でき、永久歯が自然と正しい位置に並びやすくなるからです。
一方、永久歯がすべて生えそろったあとに矯正を始める場合、歯を動かすスペースを確保するために、健康な歯を抜くケースもみられます。

歯を抜かずに治療できれば、身体への負担も少ないので安心です。
4.大人になってから矯正するより、治療期間が短く済む可能性がある
成長期の子どもは、骨がやわらかく動きやすいため、矯正治療がスムーズに進みやすいという特徴があります。
この時期に始めることで、必要な調整が最小限で済み、治療期間が短くなるケースも珍しくありません。

さらに、装置をつけている期間が短く済み、見た目や日常生活でのストレスが少なく済むのも嬉しいポイントです。
「矯正器具目立ってが恥ずかしい」と思う前に始められるのも、子どものうちだからこそのメリットといえるでしょう。
永久歯の生え始めがガタガタに関するよくある質問
Q1.永久歯がガタガタに生えてきたけど自然に治りますか?
一部のケースでは、成長とともに歯並びが改善することがあります。

例えば、あごの骨が成長して歯の位置に余裕ができると、少しずつ歯並びが整う場合があります。
しかし、歯の重なりやねじれが強い場合や、明らかにスペースが不足している場合は、自然な改善はほとんど期待できません。

このようなケースでは、放置するとさらに歯並びが乱れることもあるため、早めの相談がおすすめです。
迷ったときは、歯科医院で現在の状態を確認し、成長に合わせてどのような対応が必要かアドバイスを受けると安心です。
Q2.子どもの矯正費用はどれくらいかかる?
小児矯正の費用は、数万円から数十万円前後と幅があります。
使用する装置の種類、治療にかかる期間、歯並びや噛み合わせの状態などによって金額は変わります。

正確な金額を知るには、歯科医院でカウンセリングを受け、見積もりを出してもらうのが安心です。
あごの成長を利用する第1期治療では費用は抑えられますが、永久歯が生えそろった後の第2期治療ではより高額になる傾向があります。
また、小児矯正は原則として保険が適用されない自由診療です。

ただし、先天的な病気による噛み合わせの異常や、顎の変形などが原因で治療を受ける場合、保険が適用されることもあります。
保険が使えるかどうかは条件があるため、カウンセリングのときに確認しておきましょう。
【まとめ】生え始めの永久歯がガタガタしていたら、歯科医院へ!
永久歯が生え始めたとき、歯並びがガタガタしている場合、あごの成長や癖、乳歯の残存など複数の原因が考えられます。
放置すると歯並びの乱れが進み、将来的に矯正が複雑化したり、治療期間や費用が増えたりすることもあります。

不安を感じたら、まずは歯科医院で現状を確認し、必要に応じて矯正の専門的なアドバイスを受けましょう。
坂井歯科では、歯並びや噛み合わせに関するご相談、矯正治療のご案内も行っております。
「これって大丈夫?」という段階でもかまいませんので、どうぞお気軽にご来院ください。
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