酸蝕歯(さんしょくし)に注意

坂井歯科医院の話題
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健康に良い飲食物も過剰摂取には注意

 こんにちは、香里園にある坂井歯科医院の今道です。突然ですが、お好きな調味料はありますか?私はお酢が大好きで、特に納豆を食べるときは付属のタレを使用せずにお酢を入れて食べるととても美味しいです。

 お酢は調味料の中でも古い起源をもっていて、最古の発酵調味料といわれていて昔からみなさんの暮らしの様々な場面で活用され、お料理に酸味やコクを与えてくれています。お酢は美味しい調味料の役割だけでなく、「お酢は体にいい」と広く知られているように健康や美容効果などの食以外にも私たちの生活に役立つチカラをもっているのです。

 お酢には便秘改善や疲労回復、内臓脂肪を減らす、ガンの抑制、高血圧の抑制、食欲増進の作用、血中脂質低下などこんなにもたくさんの効果が期待できるのです。

 健康や美容のためにお酢を毎日摂取している人もいらっしゃると思います。体に良いと言われるお酢やフルーツ、野菜ジュース、梅、美容に良いといわれるビタミンC、スポーツ時や熱中症対策のために飲むスポーツドリンク、私たちが大好きなビールや酎ハイ、ワインなどのお酒、このような飲食物は注意が必要です。

お口の中が酸性に傾くと歯は柔らかくなる

 私たちが美味しいと感じる上記にあげた飲食物は歯を溶かしてしまう強い酸性で、虫歯ではないのに歯が溶けてしまう「酸蝕歯」になってしまいます。酸蝕歯とは普段から口にする飲み物や食べ物に含まれている酸によって、歯の表面の一番硬い組織のエナメル質が酸に侵食されている状態のことであり、酸が歯に触れることでエナメル質が一時的に柔らかくなり溶け出してしまいます。

 柔らかくなっている状態でハブラシをしたり硬いものを食べたりすることでエナメル質がすり減り薄くなり、やがて歯の中の組織である象牙質が露出し、しみる症状や痛みを感じるようになります。

 その他の症状として歯の厚みが薄くなり歯をペンライトなどで照らすと歯の一部が透けて見える、歯の角が丸みを帯びている、歯の表面にツヤがない、歯の色が黄色くなる、歯の噛み合わせの部分が凹んでいる、歯がすり減ってしまい歯が短くなる、詰め物や被せ物が外れやすいなどが挙げられます。

酸蝕歯は第三の歯科疾患

 飲食物の酸の影響により歯が溶ける酸蝕歯は、歯の見た目が悪くなったり、噛み合わせが悪くなったり、虫歯になりやすくなるなど、虫歯、歯周病に次ぐ第三の歯科疾患として問題になっています。

 酸蝕歯の原因は飲食物などの酸が歯に長時間さらされること、胃食道逆流症などの胃や食道の病気、暴飲暴食などの生活習慣で胃酸が逆流する状態が続いている場合、このような事が原因でお口の中が酸性に傾いてしまって酸蝕歯になりやすくなります。

治すよりも予防

 酸蝕歯になってしまった場合は、原因習慣や病気を治す必要があり、状態いかんでは歯科治療を受ける必要がありますので歯科医院を受診しましょう。酸蝕歯は予防することが大事であり、酸性の強い飲み物をお口の中で長く留めておかないようにする、ダラダラと長時間飲まないようにする、過剰な摂取頻度を少なくすることなどが歯を酸から守る大切な方法です。

 食べてはダメ!飲んではダメ!ではなく、制限する事が大事です。

食後にキシリトールガムを噛もう

 また、効果的な予防法としてキシリトールガムがあります。食後にキシリトールガムを噛むことでお口の中の唾液の量が増えお口の中を中性に戻してくれます。唾液は柔らかくなったエナメル質を修復し再石灰化を促進しますので酸蝕歯の予防に効果があります。

ハミガキは食後30分後

 また、食事をしたあとはお口の中が酸性に傾いてエナメル質が柔らかくなっていますので、食後すぐにハミガキを行ってしまうとエナメル質がすり減って摩耗します。食後30分は時間を空けてハミガキを行い、硬いハブラシでゴシゴシ力を入れて磨くことは避けるようにし、ハミガキする直前にお口を水でゆすぐことや、フッ素配合のハミガキ粉を使用するとよいでしょう。

定期検診を受けましょう

 歯科医院での定期検診とメインテナンスを受診し、歯に異常がないかどうかをチェックすること。正しいブラッシング方法を継続するとともに必要に応じての予防処置を受けることが何よりも大切であると坂井歯科医院は考えています。

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