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インプラントの寿命

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この記事では、インプラントの寿命に関する話題を取り上げます。

最初にインプラント治療の成功基準についてお話を致しますが、何を持ってして成功と呼ぶかは未だ議論の余地がある内容である事を前提に文章を読み進めて下さい。患者様向けの文章ではありますが、専門用語なども入りますので若干読みづらい箇所がある事は何とぞご了承を。

インプラント治療成功の基準(1998年トロント会議)

  • インプラントは,患者と歯科医師の両者が満足する機能的,審美的な上部構造をよく支持している。
  • インプラントに起因する痛み,不快感,知覚の変化,感染の徴候などがない。
  • 臨床的に検査する時,個々の連結されていないインプラント体は動揺しない。
  • 機能開始1年以降の経年的な垂直的骨吸収は1年間で平0.2㎜未満である。

簡単に言うと、

違和感なく食事が出来て、自分の歯と比べても遜色がなく、不快症状も特になく、インプラントがグラグラしていない。術後5年経過した時点でも骨の吸収は1㎜以下に抑えられており、その後の経過も順調である事が予想されるという状態がインプラント治療の成功基準と言われています。

このような状態を実現させるには、幾つか条件が必要です。

  • 歯周病が改善されている。
  • 禁煙が確実に出来ている。
  • 健康状態が良好である(例:糖尿病、心疾患、脳血管障害、肝機能障害、骨粗しょう症、自己免疫疾患、アレルギー疾患、など)。
  • 精神状態が安定している。
  • 術者側に十分なスキルがある。
  • 定期検診を受けて頂く体制が整っている。
  • 患者に対してリスクに対する説明が十分になされている。

このように書くと「禁煙なんて絶対無理!」という声が聞こえてきそうですが、喫煙は確実にインプラントの成功率を下げる要因となります。無慈悲な言い方で恐縮ですが、治療の条件を少しでも良くするためには、確実に禁煙を試みてください。

インプラントのリスク要因に関しては、公益社団法人日本口腔インプラント学会から出されている「口腔インプラント治療指針」に詳しいので、そちらも参考にご覧になって下さい。

では、本題に入りますが、これらを踏まえた上でインプラントの寿命は果たしてどれくらいなのでしょうか?

厳密に書くと「不明」です。

インプラント治療を受けた時点の年齢、健康状態、口腔内の状況から始まって、治療後の健康状態、口腔内の状況、メンテナンスの受診状況、など予測が困難な項目があまりにも多く個々のリスクはまるで違います。

ある人は10年も持たなかったという事があり得ますし、ある人は20年経っても問題無しというケースも珍しくありません。一般的には10年後の残存率がおおむね90%とされており、当院の場合においても独自の調査においてはこの数字と大きな乖離はありません。

現時点で患者様に当院がご提示出来るのは、「確実に○年は待ちます」という確約ではなく、「出来るだけ長く持たせる為に○○をして下さい」という言い方になります。このような言い方をしてガッカリして自信が無いと見なされ転院に繋がるケースもありますが、嘘は言えません。

インプランが何年使えるのかは誰にも解らないのです。

歯科医師の立場からすれば、インプラントを長持ちさせる為に出来る限りの事を全力でやります。1982年の開業からずっとインプラント治療の研鑽を積んできましたが、症例数だけでいうと相当な数をこなしてきました。その中には上手く行って何十年も使ってもらえているインプラントもあれば、10年も使えなかったインプラントもあります。

他で断られた症例も相当こなしているので、条件の良いインプラント治療ばかりではありません。それでいて、平均的なインプラントの生存率よりもほんの少し良い結果が出せている事は自慢しても良いはず。

これからインプラント治療を検討されている事にこの記事で伝えたいのは、長持ちするインプラントには理由があり、そうする為には患者様にも少し協力をして頂く必要があるという事です。

難しい事は言いません。

口腔衛生の習慣を少し改善して頂くだけです。

歯みがきの時間が3分に満たない方は、あと1〜2分は長くして下さい。デンタルフロスを使う習慣がない方は使うようにしましょう。定期検診やメンテナンスに行っていない方はこれから行くようにして下さい。

そうすれば、インプラントが長く使える可能性が高くなるでしょう。

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