
フロスと歯間ブラシって、何が違うの?

売り場にいろいろ並んでいて、どれを買えばいいのかわからない…

歯ぐきが下がってきた気がするけど、私はどっちを使うべき?
検診で歯のすき間のケアをすすめられたものの、売り場で「フロス」か「歯間ブラシ」のどちらを選べばいいか手が止まってしまった方は多いのではないでしょうか。
フロスと歯間ブラシの主な違いは、「形」と「得意なすき間の広さ」です。
すき間が狭い場所にはフロス、広い場所には歯間ブラシが向いています。
また、「どちらか1つ」を選ぶより、すき間に合わせて両方を使い分けるのがいちばん効率的です。
この記事では、2つの違いと自分に合う選び方、併用するときの順番をわかりやすく解説します。
読み終えるころには、自分と家族に合うアイテムを迷わず選べるようになりますよ。

どっちが正解かは、お口の状態で決まりますよ!
フロスと歯間ブラシの違いは「形」と「得意なすき間の広さ」

フロスは糸状、歯間ブラシは小さなブラシ状と、そもそも形が違う道具です。
フロスは糸を歯と歯の間に通し、歯の側面に沿わせて汚れをこすり取ります。
一方の歯間ブラシは、ワイヤーやゴムに毛が付いた形で、広いすき間の汚れをかき出すのが得意です。
2つの違いを表にまとめました。
| 項目 | フロス | 歯間ブラシ |
|---|---|---|
| 形 | 糸状 | 小さなブラシ状 |
| 得意な場所 | 狭いすき間・歯と歯が接する点 | 広いすき間・歯と歯ぐきの境目 |
| 向いている人 | すき間が狭い人・歯ぐきが健康な人 | すき間が広い人・歯ぐきが下がってきた人 |
| サイズ展開 | なし(タイプの違いはある) | 4S〜Lなど豊富 |
どちらも目的は同じで、歯ブラシでは届かない歯と歯の間の歯垢を落とすための道具です。
歯ブラシだけで落とせる歯垢は、全体の6割程度とされています。
歯と歯の間は食べ物が詰まりやすく、虫歯や歯周病がもっとも始まりやすい場所です。

残りの汚れをどう落とすかで、2つの道具の出番が決まるんですよ。
フロスと歯間ブラシどっちを使うべき?選び方の3つの基準

どっちを使うべきかは、年齢ではなくお口の状態で決まります。
チェックするのは、次の3つの基準です。
- すき間が狭い・歯ぐきが健康な人はフロス
- すき間が広い・歯ぐきが下がってきた人は歯間ブラシ
- ブリッジや矯正中の人は専用のアイテムを使い分ける
自分のお口に当てはめるだけで選べるので、買いに行く前に確認してみてください。
1.すき間が狭い・歯ぐきが健康な人はフロス

歯ぐきが引き締まっていて、すき間が目立たない方はフロスを選べば十分です。
健康な歯ぐきは歯と歯の間を埋めているため、歯間ブラシを入れる余地がほとんどありません。
20〜30代で歯並びが大きく乱れていない方も、まずはフロスからで大丈夫でしょう。
フロスはすべての歯間に使えるので、迷ったときの第一候補にもなります。
なお、具体的な通し方に関しては関連記事「フロスの使い方を歯科医が解説!1日1回で虫歯・口臭を防ぐコツと子どもへの使い方」を参考にしてください。

2.すき間が広い・歯ぐきが下がってきた人は歯間ブラシ


歯と歯の間が黒い三角形に見える…

食べ物がよく詰まる…
このような心当たりがある方は、すき間が広がっているサインなので、歯間ブラシの出番です。
加齢や歯周病で歯ぐきが下がると、糸1本のフロスだけでは広いすき間の汚れを取り切れません。
40代以降ですき間が気になり始めたら、フロスに歯間ブラシを追加するイメージで取り入れてみてください。
歯ぐきが下がる背景には、歯周病が隠れているケースもあります。
なお、歯ぐきの下がりを招きやすい習慣に関しては関連記事「歯周病になりやすい人の特徴9選!セルフチェックと今日からできる自宅ケアを解説」を参考にしてください。

3.ブリッジや矯正中の人は専用のアイテムを使い分ける
ブリッジや矯正装置が付いている場所には、通常のフロスが通せません。
ブリッジのダミーの歯の下は糸を入れられないため、歯間ブラシや、先端が硬いスーパーフロスでケアします。
ワイヤー矯正中の方も、装置に糸が引っかかるので歯間ブラシが活躍するでしょう。
インプラントの周りは歯ぐきを傷つけないよう、やわらかいゴムタイプが安心です。
治療の内容によって最適な道具は変わるため、通院中の歯科医院で確認しておくと間違いがありません。

治療した歯の周りは汚れがたまりやすいので、アイテム選びは歯科医師や歯科衛生士にぜひ相談してくださいね!
歯間ブラシのサイズ・形の選び方と使い方

歯間ブラシ選びで失敗しやすいのが、サイズ選びです。
次の4つのポイントを押さえれば、歯ぐきを傷めずに使い始められます。
- サイズは4S〜Lまで!最初はいちばん細いものを選ぶ
- 形は使う場所で選ぶ(前歯はI字型・奥歯はL字型)
- 歯間ブラシの正しい使い方3ステップ
- 入らないすき間には無理に使わない
初めての方こそ順番にチェックして、自分のすき間に合う1本を見つけてください。
1.サイズは4S〜Lまで!最初はいちばん細いものを選ぶ

歯間ブラシには4S〜Lなどのサイズがあり、初めての方はいちばん細いサイズから試すのがよいでしょう。
適正サイズの目安は、スッと入って毛先が軽く歯に触れる程度。
大きすぎるサイズを無理に入れると歯ぐきが傷つき、すき間が広がる原因になってしまいます。
また、サイズ表記はメーカーごとに少し異なり、同じ表記でも太さが違うことがあります。
場所によってすき間の広さも違うため、慣れてきたら部位ごとにサイズを使い分けるのが理想です。
2.形は使う場所で選ぶ(前歯はI字型・奥歯はL字型)
歯間ブラシの形は、まっすぐなI字型と柄が曲がったL字型の2種類が主流です。
I字型は前歯に、L字型は奥歯のすき間に使いやすい形をしています。
I字型も根元を少し曲げれば奥歯に届きますが、最初からL字型を選ぶほうが簡単でしょう。
タイプはワイヤータイプとゴムタイプの2つがあり、初心者や歯ぐきがデリケートな方にはゴムタイプが向いています。
ゴムタイプは歯ぐきにやさしい反面、汚れをかき出す力はワイヤータイプが上です。
慣れてきたらワイヤータイプに移行すると、効果を高められますよ。
まずは使う場所を決めてから、形と素材を選んでみてください。
3.歯間ブラシの正しい使い方3ステップ

使い方はシンプルで、次の3ステップだけです。
- 鏡を見ながら、歯ぐきに沿って斜めに差し込む
- 歯の面に沿わせて、前後に2〜3回動かす
- 隣り合う歯の両面を磨き、水で洗って乾かす
歯ぐきに突き刺すように入れると出血の原因になるため、力を抜いてゆっくり挿入してください。
使ったあとは風通しのよい場所で保管すると、清潔に長持ちします。
毛先が乱れたり短くなったりしたら、交換のサインです。
4.入らないすき間には無理に使わない

「歯間ブラシが入らない」というのは、実は悪いことではありません。
歯ぐきが健康ですき間が埋まっている証拠でもあるので、入らない場所はフロスでケアすれば十分です。
細いサイズでも入らないのに押し込むと、歯ぐきが傷ついて下がり、かえってすき間が広がる恐れがあります。
すべての歯間に歯間ブラシを使う必要はありません。
入る場所だけ歯間ブラシ、入らない場所はフロスと割り切るのが、歯ぐきを守る使い分けです。

サイズ選びに迷ったら、検診のときにすき間に合う太さをお調べしますよ!
フロスと歯間ブラシを併用するときの順番と頻度

使う道具が決まったら、あとは順番と頻度を押さえるだけです。
次の3つを覚えれば、今夜から迷わず実践できます。
- 順番はフロス・歯間ブラシが先で歯磨きが後
- フロスと歯間ブラシはどっちが先でもOK
- 頻度は1日1回・寝る前が目安
順番を変えるだけで歯磨き粉の効果も高まるので、今日のケアから取り入れてみてください。
1.順番はフロス・歯間ブラシが先で歯磨きが後

おすすめの順番は、歯間の掃除が先・歯磨きが後です。
先に歯と歯の間の汚れをかき出しておくと、歯磨き粉に含まれるフッ素などの成分がすみずみまで行き届きます。
歯磨きを先にすると、あとからかき出した汚れが口の中に残りやすくなってしまうのです。
順番を入れ替えるだけで同じ時間でも効果が変わるので、今夜から試してみてください。
2.フロスと歯間ブラシはどっちが先でもOK
フロスと歯間ブラシの前後に、決まったルールはありません。
効果に大きな差はないため、自分がやりやすい順番で問題ないのです。
迷う場合は、狭い場所(フロス)から広い場所(歯間ブラシ)の流れにすると、磨き残しに気づきやすくなります。
また、すべての歯間で両方を使う必要はなく、部位ごとにどちらか1つで足ります。

順番にこだわるより、毎日続けることのほうがずっと大切ですよ。
3.頻度は1日1回・寝る前が目安

フロスも歯間ブラシも、使う頻度は1日1回で十分です。
歯垢は約24時間かけて成熟し、虫歯や歯周病の原因菌が増えていきます。
1日1回リセットできれば、菌が力を持つ前に汚れを断てる計算です。
タイミングは、唾液が減って菌が増えやすい寝る前がベスト。
回数を増やすとかえって歯ぐきを傷めることもあるため、寝る前の1回を続けることを目標にしてみてください。
フロスと歯間ブラシの違いに関するよくある質問

フロスと歯間ブラシの違いについて、患者さまからよく寄せられる3つの質問にお答えします。
売り場や洗面所で迷ったときの判断のヒントになるので、最後にチェックしてみてください。
1.フロスと糸ようじの違いは何ですか?
実は、糸ようじは持ち手付きのフロス(ホルダータイプ)のことです。
別の道具のように見えますが、糸で歯垢を落とす仕組みはフロスと同じなのです。
糸巻きタイプ(ロールタイプ)との違いは、持ち手が付いているかどうかだけ。
売り場で別の棚に並んでいることもありますが、選ぶときは同じ仲間と考えて大丈夫です。
初めての方やお子さんには、扱いやすい糸ようじタイプから始めるのがおすすめです。
2.歯間ブラシは何歳から使えますか?
年齢よりも、すき間があるかどうかで判断してください。
子どもの歯間は歯ぐきで埋まっていることが多く、基本的に子どもにはフロスを使います。
歯間ブラシは、歯ぐきが下がってすき間ができた大人向けの道具です。
5歳や8歳の子どもの仕上げ磨きには、子ども用のホルダータイプのフロスが向いているでしょう。
無理に歯間ブラシを使うと歯ぐきを傷つけるため、子どもへの使用は歯科医院で相談してからにしてください。
3.歯間ブラシを使うと血が出るのは大丈夫?
サイズが合っていれば、出血の多くは歯ぐきの炎症のサインです。
汚れを落とし続ければ炎症は少しずつ治まり、1〜2週間ほどで出血しなくなるケースが多いとされています。
血が出たからといって、すぐにやめる必要はありません。
ただし、サイズが大きすぎる場合や突き刺すように使っている場合の出血もあるため、使い方は見直してみましょう。
2週間以上出血が続くときや、痛み・腫れをともなうときは歯科医院を受診してください。
【まとめ】フロスと歯間ブラシは「すき間の広さ」で選べば迷わない

「どっちを使えばいいの?」と迷っていた方も、答えはシンプルです。
狭いすき間にはフロス、広いすき間には歯間ブラシと、すき間に合わせて両方を使い分けるのがいちばん効率的です。
道具を選べるようになれば、売り場で悩む時間も「買ったのに使っていない」というもったいなさもなくなります。
毎晩の歯間ケアが習慣になれば、ご自身の歯はもちろん、子どもの歯を守る力にもなるはずです。
とはいえ、自分のすき間に合うサイズや道具を自己判断するのは難しいもの。
坂井歯科医院では、検診の際にお口の状態に合わせた道具選びと使い方のアドバイスをしています。
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