
フロスって毎食後にやったほうがいいのかな?

毎晩やってるけど、これってやりすぎ…?

歯のすき間が広がった気がして、正直こわい…
フロスの回数の正解がわからないまま、なんとなく続けている方は多いのではないでしょうか。
フロスは、1日1回・夜の歯磨きのあとで十分です。
毎食後に使わなければいけない、というルールはありません。
大切なのは回数そのものより、力の入れ方と毎日続けられるかどうかです。
この記事では、1日1回で足りる理由と、本当に気をつけたい「やりすぎ」の見分け方を解説します。
「歯ぐきが下がる」「すき間が広がった」という不安の正体もはっきりするので、迷わず続けられるようになります。

回数よりも継続が大切です!
フロスは1日1回で十分!毎食後にやらなくても大丈夫

フロスを使う回数は、1日1回でOK。
毎食後に使えるなら理想的ですが、必ずしも必要ではありません。
歯と歯の間の汚れは、24時間以内に一度落とせていれば間に合うからです。
朝と夜の2回使っている方も、それで問題はありません。
タイミングは夜の歯磨きのあとがもっとも効果的とされています。
反対に、回数を増やすほど効果が上がるわけではない点には注意しましょう。
力任せに何度も通すと、かえって歯ぐきに負担がかかることがあります。
フロスは、回数より1回の質を優先したほうが結果につながります。
まずは毎晩1回を欠かさないところから始めてみてください。

毎食後にやらなきゃ、と頑張らなくて大丈夫ですよ!
フロスが1日1回で足りる2つの理由

歯科医院が1日1回をすすめるのは、歯垢の性質とフロスの使い方に理由があるからです。
- 歯垢が虫歯・歯周病の原因に変わるまで約24時間かかるから
- 回数を増やすより1回を正しく通すほうが効果が高いから
理由まで知っておくと回数の迷いが消えますよ。
歯垢が虫歯・歯周病の原因に変わるまで約24時間かかるから

歯垢はついた直後から害を及ぼすわけではなく、約24時間かけて性質を変えていきます。
ついたばかりの歯垢はやわらかく、細菌の数もそれほど多くありません。
1日ほどたつと細菌が増え、虫歯や歯周病を引き起こす状態に育つとされています。
つまり24時間に1回リセットできれば、害を及ぼす前の段階で取り除けるのです。
夜に1回通す習慣さえあれば、歯と歯の間はリセットされた状態を保てているので、それ以上回数を増やす必要はありません。
回数を増やすより1回を正しく通すほうが効果が高いから

フロスは急いで3回通すより、丁寧な1回のほうが歯垢はしっかり落ちます。
フロスは通した回数ではなく、歯の側面に当たった面積で結果が決まるからです。
勢いよく往復させるだけでは、汚れは思ったほど取れていません。
回数を増やすと1回あたりが雑になり、時間の負担で続かなくなることもあります。
1回にかかる時間は、慣れてしまえば2分ほどで収まります。

フロスの回数よりも、まずは1回を丁寧に行うところから見直してみてください。
フロスを使うベストなタイミングは夜の歯磨きのあと

フロスは同じ1日1回でも、いつ通すかで効果は変わってきます。
もっとも効果が高いのは、夜の歯磨きのあとです。
眠っている間は唾液の分泌が減り、口の中を洗い流す力が落ちます。
細菌が増えやすい夜こそ、寝る前に歯と歯の間の汚れを取っておくことで、細菌のエサを断った状態で朝を迎えられるのです。

1日1回の夜のフロスで、翌朝の口のねばつきやにおいが軽くなったと感じる方も多いですよ。
歯周病は夜のあいだに進みやすいといわれるため、寝る前のひと手間が虫歯と歯周病の両方の予防にもなります。
もし夜にできなかった日は、翌朝や昼に通してもかまいません。
大事なのは時間帯より、1日のどこかで1回通せているかどうかです。
子どもの場合も1日1回・夜の仕上げ磨きのタイミングでOK。
毎晩の仕上げ磨きの最後にフロスを足すと、親も忘れずに済みますね。

夕食後すぐでなくてもかまわないので、寝る前の歯磨きとセットにしてみてください。
フロスのやりすぎで起こりやすい4つの注意点

1日1回を守っていれば、やりすぎによるトラブルが起こることはほとんどありません。
ただし、以下のように力の入れ方や使い方を誤ると、逆効果になる場合があります。
- 強い力で押し込むと歯ぐきに負担がかかる
- 同じ場所を何度もこするのは避ける
- すき間が広がったと感じるのは歯ぐきが引き締まったサイン
- 1本のフロスを使い回さない
自分に当てはまっていないか、一度確かめてみてください。
強い力で押し込むと歯ぐきに負担がかかる

勢いよくパチンと入れる通し方は、歯ぐきへの負担が大きくなります。
毎日この入れ方を続けていると、歯ぐきが下がる歯肉退縮につながる場合があります。
ただし歯ぐきが下がる原因は、フロスだけとは限りません。
もともと進んでいた変化がフロスを始めた時期と重なっただけ、というケースも珍しくありません。
加齢や歯周病、強すぎるブラッシングなど複数の要因が重なって起こります。
力を抜いて、ゆっくり左右に動かしながら入れれば負担はかかりません。

フロスが入らないか所は、歯間ブラシを使用してみてください。
同じ場所を何度もこするのは避ける

気になる場所を何十往復もこすると、歯の根元や歯ぐきに負担が集中します。
削れた部分から冷たいものがしみる知覚過敏につながることもあります。
歯ぐきは一度下がると自然には戻りにくいため、力の加減は早めに見直したいところですね。
1か所につき数往復あれば、歯垢は十分に落ちているはずです。
そもそも、歯垢はこびりつく力が弱いので、強くこすらなくても落とせます。
汚れが取れてスッと通る感触があれば、そこで手を止めるのがベター。
何度もこすりたくなるのは、汚れが残っている気がして落ち着かないからでしょう。
その場合は回数を足すのではなく、フロスを当てる角度を変えてみてください。
なお、力の入れ方や正しい通し方に関しては関連記事「フロスの使い方を歯科医が解説!1日1回で虫歯・口臭を防ぐコツと子どもへの使い方」を参考にしてください。

すき間が広がったと感じるのは歯ぐきが引き締まったサイン
「フロスを使い始めてから歯のすき間が広がった気がする」という声はよく聞きます。
大前提として、フロスを通す程度の力で、歯が動くことはありません。
実際に起きているのは、腫れていた歯ぐきの炎症が治まって引き締まる変化です。
それまで歯ぐきが膨らんで埋まっていた部分が、見えるようになっただけです。
同じ理由で、始めてしばらくは食べ物が挟まりやすく感じる方もいます。
つまり広がったのではなく、もともとのすき間が現れたということになります。
歯ぐきが引き締まる変化は、フロスが効いている何よりの手応えです。
歯ぐきが健康に近づいたサインなので、そのまま続けてみてください。

すき間が広がったと感じたら、それは歯ぐきが元気になってきた合図です!
1本のフロスを使い回さない

同じ糸で全部の歯を通すと、汚れや細菌をほかの歯に運ぶことになります。
ロールタイプは指に巻き取りながら、常にきれいな面を使うのが基本です。
ホルダータイプは1回で使い切り、翌日に持ち越さないようにしましょう。
もったいないと感じるかもしれませんが、汚れをためた糸を再び口に入れてしまっては本末転倒です。
毎日使うものなので、衛生面を優先してくださいね。
1回分の糸をけちらないことが、フロスの効果を落とさないコツになります。
フロスの回数・頻度に関するよくある質問

ここでは、頻度について特によく寄せられる3つの質問にお答えします。
どれも診察室で実際によく聞かれる内容なので、参考にしてください。
フロスを1日サボると効果はなくなりますか?
なくなりません。
1日抜けたくらいで、それまでに積み上げた予防効果が消えることはありません。
ただし歯垢は約48時間で固まり始め、フロスでは落とせない歯石に変わっていきます。
歯石になると歯科医院で取るしかなくなるため、間をあけすぎるのは避けたいところです。
2日以上あけない意識でいれば、家庭のケアで十分に間に合います。
1日の抜けを取り返そうとして、翌日に何度も通す必要もありません。
いつもどおり再開すれば大丈夫です。
毎日使っているのにフロスが臭うのはやりすぎが原因ですか?
やりすぎが原因ではありません。
フロスのにおいは、取れた歯垢や食べかすのにおいです。
汚れがきちんと落ちている証拠でもあるので、心配しすぎなくて大丈夫です。
フロスを続けていくうちに、においは少しずつ弱くなっていきます。
ただし毎回同じ場所だけ強く臭う場合は、虫歯や詰め物の不具合が隠れていることもあります。
歯周病が進んでいるサインとして現れることもあるため、放置はおすすめできません。
1か所だけにおいが続くようなら、一度検診で見てもらうと安心です。
なお、においそのものを抑える方法に関しては関連記事「【口臭対策】5つの応急ケアアイテムやにおいを根本から断つ習慣を解説」を参考にしてください。

毎日使うと血が出ますが、続けても大丈夫ですか?
続けて大丈夫です。
出血は歯ぐきが炎症を起こしているサインで、汚れがたまっていた場所ほど出やすくなります。
フロスを続けて汚れが落ちれば、炎症は少しずつ治まっていくものです。
数日から2週間ほどで出血が落ち着いてくるケースが多く見られます。
逆に2週間を過ぎても出血が続く場合や強い痛みがある場合は、受診の目安です。
血が出るからとやめてしまうと汚れが残り、炎症はかえって長引いてしまいます。
出血が気になる時期こそ、力を抜いてやさしく通すことを意識してください。
なお、出血の原因や受診の目安に関しては関連記事「歯茎から血が出る5つの原因|受診する6つの目安や対処法も徹底解説」を参考にしてください。

【まとめ】フロスは1日1回でいい!夜の習慣にして家族の歯を守ろう

フロスは、1日1回・夜の歯磨きのあとと覚えておきましょう。
毎晩1回の積み重ねは、5年後10年後の歯の残り方に効いてきます。
力の入れ方や自分の歯ぐきの状態は、プロに見てもらうのがいちばん確実です。
坂井歯科医院では、歯磨き指導の一環としてフロスの使い方を丁寧にお伝えします。
検診とあわせて気軽にご相談ください。

フロスの力加減は、検診で一緒に確認できますよ。ご家族そろってお待ちしています!
