
マウスウォッシュって毎日使うと体に悪いの?

体にいい成分まで殺しちゃうって聞いて不安…

子どもに使わせてもいいのかな?
「マウスウォッシュは使わないほうがいい」という情報を見かけて、毎晩の習慣が急に不安になった方は多いのではないでしょうか。
結論、マウスウォッシュは使わないほうがいいわけではなく、歯磨きの補助として使えば毎日使っても問題ありません。
ただし、口内炎があるときなど、使用を控えたほうがよい場面があるのも事実です。
この記事では、使わないほうがいいといわれる6つの理由を、毎日使うと危険といわれる研究の読み方も含めて歯科医院の視点で解説します。
痛い・しみるときの対処や、子どもに使わせる条件も紹介します。

正しく使えば心強い味方です。一緒に見ていきましょう!
マウスウォッシュは使わないほうがいいと言われる6つの理由

ネットで見かける否定的な情報には、根拠のある注意点と誤解が混ざっています。
マウスウォッシュを使わないほうがいいといわれる理由は、次の6つです。
- 歯垢は洗い流せず歯磨きの代わりにならない
- 爽快感で「磨けたつもり」になりやすい
- アルコール入りは口が乾いて口臭が強くなることがある
- 歯周病のにおいを一時的に隠して発見が遅れることがある
- 歯磨き直後に使うとフッ素を洗い流してしまう
- 毎日使うと「がんや血圧に影響する」という研究がある
ご自身の普段の使い方に当てはまるものがないか、照らし合わせながら読み進めてみてください。
1.歯垢は洗い流せず歯磨きの代わりにならない

歯垢は細菌のかたまりが歯の表面に膜のように張りついたもので、液体でゆすいだだけでは落とせません。
落とす方法は、歯ブラシやデンタルフロスで物理的にこすり取ることだけです。
「時間がない日はゆすぐだけで済ませる」という使い方が、いちばん危険なパターンです。
眠くて仕方がない夜は歯ブラシ1分とフロスだけでも済ませて、マウスウォッシュは仕上げに回してください。
2.爽快感で「磨けたつもり」になりやすい

ミントの清涼感が広がると、口の中がきれいになったような感覚が残ります。
ところが実際には歯垢が残ったままで、「磨けたつもり」に気づけなくなるのが落とし穴です。
爽快感はあくまで香料や刺激によるもので、汚れが落ちたサインではありません。
とくにお子さんは、スッキリ感に満足して歯磨きそのものを嫌がるようになることがあります。
爽快感と清掃効果は別物と意識するだけで、歯磨きの手抜きを防げます。
3.アルコール入りは口が乾いて口臭が強くなることがある

アルコール(エタノール)配合のタイプは、清涼感が強い反面、蒸発するときに口の中の水分を奪います。
唾液が減ると細菌が増えやすくなり、かえって口臭が強くなるケースがあるのです。
唾液には、汚れを洗い流して酸を中和し、歯を修復する大切な働きがあります。
もともと口が乾きやすい方は、ノンアルコールタイプを選ぶことで刺激を抑えられます。
4.歯周病のにおいを一時的に隠して発見が遅れることがある
歯周病のにおいは歯周ポケットの奥にたまった歯垢や歯石が原因で、マウスウォッシュは奥まで届かず、歯石も取れません。
それでも使った直後はにおいが薄れるため、歯ぐきの出血や腫れといった進行のサインを見逃しやすくなります。
心当たりがあるなら、歯科での歯石除去と歯磨き指導を先に受け、マウスウォッシュは治療とセットで使ってください。
歯周病と口臭のつながりは、関連記事「歯周病と口臭の関係を徹底解説|原因・特徴・チェック方法・改善する4つの習慣」にまとめています。


においが消えても歯周病が治ったわけではありません。出血があれば一度チェックさせてくださいね!
5.歯磨き直後に使うとフッ素を洗い流してしまう

フッ素は歯の表面に残ることで、再石灰化を促して歯質を強くする成分です。
フッ素入り歯磨き粉で磨いた直後にマウスウォッシュでゆすぐと、せっかくのフッ素が流れてしまいます。
虫歯予防のつもりで続けている習慣が、実は効果を打ち消しているかもしれません。
歯磨きとの間隔をあけるか、フッ素配合のマウスウォッシュを選ぶと防げます。
6.毎日使うと「がんや血圧に影響する」という研究がある


毎日使うと寿命が縮むって記事を見て怖くなった…
「毎日使うと危険」といわれる根拠の多くは、がんや血圧・糖尿病との関係を調べた研究です。
がんについては、12件の研究結果をまとめた2016年の海外の論文で、35年を超える長期の使用や1日2回以上の使用でリスクがやや高い傾向が見られました。
ただし、喫煙や飲酒の影響を完全には除けない観察研究のため、マウスウォッシュが原因とはいえません。
血圧や糖尿病との関係も、少人数の試験や観察研究の段階にとどまっています。
一方で、殺菌成分の入ったタイプを1日に何度も使うと、口の中で健康を保つ菌まで減らしてしまう可能性は指摘されています。
どれも因果関係は確定しておらず、用法用量を守って歯磨きとセットで使うなら、毎日の使用をやめる根拠にはなっていません。
(出典:Boffetta P, et al. Eur J Cancer Prev. 2016/Kapil V, et al. 2013/Joshipura KJ, et al. 2017)
マウスウォッシュで口が痛い・しみる・ピリピリするときの原因と対処

口が痛い、しみる、舌がピリピリするのは、体質や口の状態に製品が合っていないサインです。
- 痛みやしみる原因は「アルコールや殺菌成分の刺激」と「粘膜の傷」
- 口内炎や口の中に傷があるときは治るまで休む
- 口の乾き・舌のピリピリ・味の変化が続く人はノンアルコールに切り替える
原因が分かれば、製品を変えるだけで落ち着くことが多いですよ。
1.痛みやしみる原因は「アルコールや殺菌成分の刺激」と「粘膜の傷」

しみる原因の多くは、アルコール(エタノール)や殺菌成分、香料の刺激と、粘膜の傷の2つです。
口内炎や傷、口の乾きで粘膜が弱っていると、ふだん使用している製品でも強くしみることがあります。
お子さんが「痛い」「辛い」と言うときは、大人用のアルコール入りを使っていることが多いです。
刺激が強いと感じたら量を減らすか低刺激タイプに替えるのが基本で、我慢して続けるものではありません。
2.口内炎や口の中に傷があるときは治るまで休む

口内炎や傷があるときに使うと、アルコールや殺菌成分が患部にしみて痛みが強くなります。
治りかけの粘膜を刺激して、回復を遅らせてしまうこともあります。
口内炎ができているあいだはいったんお休みし、治ってから再開すれば問題ありません。
なお、2週間たっても治らない口内炎は、ほかの原因も考えられるため歯科で相談してください。
3.口の乾き・舌のピリピリ・味の変化が続く人はノンアルコールに切り替える
朝起きたときに口がカラカラ、日中も口の中が粘つくという方は、唾液が減っているサインです。
思い当たる方は次の3つを試してみてください。
- ノンアルコールタイプに切り替える
- 量と回数を表示の下限にする
- 数日休んで様子を見る
舌のピリピリや味が分かりにくい感じ、歯の着色が気になるときも、いったん使うのを休んで様子を見てください。
口の乾きには薬の副作用や口呼吸が関係していることもあり、続くようなら一度ご相談ください。

坂井歯科では、お口の乾きや口臭のご相談も受け付けていますよ!
逆効果にしないマウスウォッシュの安全な使い方3つ

マウスウォッシュのデメリットの大半は、使い方を少し変えるだけで避けられます。
歯科医院がおすすめする安全な使い方は、次の3つです。
- 歯磨きとフロスで汚れを落としてから仕上げに使う
- フッ素入り歯磨き粉のあとは時間をあけるかフッ素配合を選ぶ
- 回数と量は製品の表示どおり、使うなら「寝る前」がおすすめ
どれもすぐに実践できることばかりなので、順番に取り入れてみてください。
1.歯磨きとフロスで汚れを落としてから仕上げに使う

歯垢が残ったままでは薬用成分が歯や歯ぐきに届かず、効果が半減してしまいます。
歯ブラシとフロスの順番はどちらでもかまいませんが、先にフロス、あとに歯磨き、最後にマウスウォッシュがおすすめです。
フロスまで毎回は大変という方は、1日1回、夜だけでも取り入れてみてください。
「汚れを落としてから仕上げる」と覚えておくと、順番に迷わなくなります。
フロスの通し方は、関連記事「フロスの使い方を歯科医が解説!1日1回で虫歯・口臭を防ぐコツと子どもへの使い方」で解説しています。

2.フッ素入り歯磨き粉のあとは時間をあけるかフッ素配合を選ぶ

歯磨き直後のマウスウォッシュは、歯の表面に残したいフッ素まで洗い流してしまいます。
虫歯予防を優先するなら、歯磨きのあとすぐにはゆすがず、時間をあけてから使うのがおすすめです。
日本口腔衛生学会など4学会も、歯磨き後のうがいは「少量の水で1回のみ」としています。
フッ素配合のマウスウォッシュであれば、歯磨き後にそのまま使っても問題ありません。
(出典:フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法|日本口腔衛生学会ほか)
3.回数と量は製品の表示どおり、使うなら「寝る前」がおすすめ

マウスウォッシュは、回数を増やすほど効果が上がるものではありません。
使いすぎは粘膜への刺激や菌バランスの乱れを招くため、回数と1回の量はキャップの目盛りと製品の表示に従ってください。
使用後に水ですすぐ必要はないと、メーカーも案内しています。
いちばんのおすすめは就寝前で、朝起きたときの口のネバつき対策にもなります。
(出典:液体オーラルケア製品の使い方|サンスター)
【何歳から?】子どもにマウスウォッシュを使わせるときの3つの注意点

マウスウォッシュを子どもに使わせてよい最低条件は、ぶくぶくうがいをして全部吐き出せることです。
飲み込むとアルコールや殺菌成分をそのまま体に取り込んでしまうため、使わせるときは次の3つに注意してください。
- ボトルの対象年齢を確認し、対象外の年齢では使わせない
- ノンアルコールで低刺激の子ども向けタイプを選ぶ
- 仕上げ磨きを優先して、マウスウォッシュは最後の一手間にする
大人用のアルコール入りは刺激が強く、「痛い」「辛い」と感じることもあるため、使いたがる場合は子ども用を用意しましょう。
また、小学生のうちの虫歯予防の主役は親御さんの仕上げ磨きですので、マウスウォッシュはおまけやご褒美として考えてください。
仕上げ磨きのくわしいやり方は、関連記事「仕上げ磨きはいつまで?卒業までの5ステップやタイミングの見極め方を徹底解説!」もご覧ください。


当院では子どもの歯磨き講習も受け付けています。仕上げ磨きのコツもお気軽にご相談ください!
マウスウォッシュに関するよくある質問

吐き出した液に汚れが浮くのは、歯垢が取れた証拠ですか?
歯垢がごっそり取れたわけではありません。
液体歯磨きの中には、殺菌した菌の破片を薬用成分が吸着して取り除くと説明されている製品があります。
見えた汚れに満足して歯磨きを省くと、本当の歯垢は残ったままになります。
歯垢を落とせるのは歯ブラシとフロスだけなので、汚れが見えても磨く手順は変えないでください。
(出典:サンスター 製品情報(液体ハミガキ))
子どもがマウスウォッシュを飲み込んでしまいました
少量なら、慌てなくて大丈夫です。
コップ1杯程度の水や牛乳を飲ませて、いつもと違う様子がないかしばらく観察してください。
大量に飲んだ場合や、吐いたりぐったりしたりする様子があれば、製品を持って医療機関を受診しましょう。
再発を防ぐため、保管場所はお子さんの手が届かないところに変えてください。
(参照:LION株式会社)
妊娠中にマウスウォッシュを使っても大丈夫ですか?
歯磨きの補助として製品の用法どおりに使い、飲み込まないようにすれば、妊娠中でも使えます。
ただし、アルコール入りの刺激やにおいで気分が悪くなる方は、ノンアルコールの低刺激タイプに替えてみてください。
妊娠中は歯ぐきの腫れや口臭が出やすく、マウスウォッシュだけでごまかさずに歯科検診を受けておくと安心です。
マウスウォッシュを使っても口臭が消えないのはなぜですか?
においの原因が、口の中の汚れ以外にあるためです。
歯周病や進行した虫歯、詰め物の劣化などが原因の場合、ゆすぐだけではにおいは消えません。
一時的に薄れてもすぐ戻る、歯ぐきから血が出るといったサインがあれば、歯科での検査をおすすめします。
なお、口臭の原因や対策に関しては関連記事「【口臭対策】5つの応急ケアアイテムやにおいを根本から断つ習慣を解説」を参考にしてください。

【まとめ】マウスウォッシュは歯磨きの補助なら毎日使ってOK!違和感があれば相談を

マウスウォッシュは、「歯磨きとフロスのあとの仕上げ」として製品の表示どおりに使えば、毎日使って問題ありません。
ただし、痛い・しみる・口臭が消えないといった違和感は、歯周病などが隠れているサインかもしれません。
気になるサインがある方は、一度検診の予約から始めてみてください。
坂井歯科医院では、口の乾きや口臭の相談も検診でお受けしています。

不安なまま使い続けるより、一度お口の状態をチェックしませんか?お待ちしています!

